昨今のアニメブームにより昔と比べて現在は1年で放送されるアニメの本数が相当増えています。2000年代初めは100本程だったのに比べてここ最近では1年で約300本以上が放送されています。
それに伴い将来の進路としてアニメ制作に携わる仕事に就き、いずれは制作の指導・統括を行うアニメ監督になりたいと思う人も増えました。
しかし、アニメ監督って実際にどのようにしてなればいいか分からないですよね。
なりたいと思っていきなり監督になれるわけでは無く、色々な経験を積む必要があります。
そこで、この記事ではアニメ監督になる方法について紹介していきます。また仕事内容や年収についてもまとめていますので是非参考にして下さい。
アニメ監督とは?

アニメ監督は、作品の面白さを追求する「クリエイティブの最高責任者」です。
しかし、その監督が最高のパフォーマンスを発揮するためには、プロジェクト全体を事業として成功に導く「プロデューサー」という、もう一人の重要な存在が欠かせません。
なぜなら、アニメ制作は「作品づくり」という芸術的な側面と、「多くの人やお金が動く事業」というビジネスの側面を両立させて初めて成り立つからです。
監督が作品のクオリティアップに集中できるのは、プロデューサーがビジネス面をしっかりと支えているからと言えるでしょう。
これだけでは、まだ分かり辛いと思いますので下記について更に詳しく紹介していきたいと思います。
- アニメ監督
- アニメプロデューサー
- 監督とプロデューサーの違いは?
それぞれ詳しく説明していきますので参考にしてください。

もちろん、どんな職種の人でもアニメ制作には欠かせないですよね!



いろいろとあるのね
アニメ監督


アニメ監督の仕事とは、作品のクオリティに関する「すべての最終決定」を下す、制作現場の絶対的なリーダーです。あなたの頭の中にある最高の物語を、現実の映像作品として形にする役割を担います。
なぜなら、アニメは脚本、作画、声優、音楽といった多様な専門分野の集合体であり、それらを一つの明確な方向へまとめ上げなければ、視聴者の心を打つ作品にはならないからです。
監督という中心軸が存在することで、初めてチームは最高のパフォーマンスを発揮できるのです。
監督の仕事は、大きく分けて3つの力に集約されます。
1. ビジョンを描く「構想力」
まず、「この作品で何を伝えたいのか」というビジョンを描くことから始まります。作品の核となるテーマや世界観を定め、物語の設計図である脚本や絵コンテを通じて、そのビジョンを具体的な形にしていくのです。
2. チームを導く「統率力」
制作現場には、作画、背景、CG、音響など、各分野のプロフェッショナルが集結しています。監督は、まるでオーケストラの指揮者のように、専門性の高いスタッフたちと対話を重ねて的確な指示を出し、全員の力を作品のゴールへと導きます。
3. 品質に責任を持つ「決断力」
すべてのセクションの品質を最終的にジャッジし、GOサインを出すのも監督の重要な役割です。その一存で作品のクオリティが左右されるため、責任は非常に重く、常に大きなプレッシャーと向き合うことになります。
このように、アニメ監督の仕事は、重い責任を伴う一方で、自分の理想とする作品をゼロから生み出せる、この上ないやりがいに満ちています。
この記事が、「アニメ監督になるには」どうすればいいか悩むあなたの、夢への第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。



責任は重大ですが、作品が完成したら凄い達成感が生まれそうですね
アニメプロデューサー


アニメプロデューサーの仕事とは、作品をビジネスとして成功へと導く「プロジェクトの総責任者」です。監督がクリエイティブのトップなら、プロデューサーはプロジェクト全体のトップと言えるでしょう。
なぜなら、どんなに素晴らしいアイデアや才能あるクリエイターがいても、それを形にするための「お金」「人」「時間」を管理する存在がいなければ、プロジェクトは始動すらできないからです。
プロデューサーは、監督や制作スタッフが創作活動に集中できる環境を整える、という重要な使命を担っています。
プロデューサーが担う具体的な仕事内容は多岐にわたります。
企画と資金調達
面白い原作を探し出したり、オリジナル企画を立ち上げ、アニメを作るために必要なお金をスポンサーから集めます。
チーム編成
作品の成功を左右する監督や脚本家を選び、最高のチームを作ります。
進行管理と広報
制作がスケジュール通りに進むよう管理したり、完成した作品を多くの人に見てもらうための宣伝戦略を考えたりします。
このようにプロデューサーは、絵を描くといった直接的な制作技術ではなく、交渉力やビジネスの視点でアニメ制作に深く関わる仕事です。
才能を支え、作品を世に送り出すことにやりがいを感じる人にとっては、まさに天職かもしれません。
「アニメ監督になるには」まず業界を広く知ることが大切ですが、プロデューサーという道もあると知っておくと、あなたの将来の選択肢はさらに広がるはずです。



プロデューサーも興味深いわね
上記では、大枠としてのプロデューサーについて紹介しました。
しかし、厳密にはプロデューサーは「製作委員会のプロデューサー」と「アニメーションプロデューサー」の2つに分けられます。



プロデューサーはアニメごとに複数人居る場合があります



アニメに出資している会社の数によって変わってくるみたいね
- 製作委員会のプロデューサー
役割: プロジェクト全体の責任者。資金調達、予算管理、企画立案、宣伝戦略、グッズ展開、放送局との交渉など、ビジネス面を担当します。
所属: 出版社、映像ソフト会社(アニプレックスなど)、広告代理店、テレビ局など、製作委員会に参加している各社の社員です。
例(鬼滅の刃の場合): アニプレックスの高橋祐馬氏などがこの役割にあたります。 - アニメーションプロデューサー
役割: アニメーション制作現場の責任者。監督やアニメーターなどクリエイターのスタッフィング、スケジュールの管理、制作予算の管理など、アニメを実際に作り上げるための現場を統括します。
所属: ufotable、MAPPA、WIT STUDIOといったアニメーション制作会社の社員です。
例(鬼滅の刃の場合): ufotableの近藤光氏がこの役割です。
監督とプロデューサーの違いは?


アニメ監督とプロデューサーの最も大きな違いは「この原作をアニメにしたい!」と企画するのがプロデューサーで、そのアニメを「こんな風に作りたい!」と制作するのが監督という点です。
なぜなら、アニメ制作には莫大な予算が必要であり、作品のクオリティを追求する「創作活動」と、その活動を支える「資金調達や事業計画」は、全く異なる専門性が求められるからです。
この二つが両輪として機能して初めて、プロジェクトは実現に向けて動き出します。
下記の図をご覧ください。


アニメ制作を開始するまでには色々な工程を踏みます。
たとえばプロデューサーがアニメを作りたいと思った場合、資金集めが必要です。そして、アニメ制作には1億円以上の制作費が掛かる場合がほとんどです。
そのためプロデューサーはお金を出資してくれるクライアントを探しますが、アニメでは単独の出資者で製作費を賄うのでは無く、複数の出資者を探すことが多いですよね。
そして、その複数の出資者達の集合体の名称を指す言葉が『制作委員会』といいます。



アニメのエンドロールなどで作品名のあとに「○○○製作委員会」とついた名前を良く見かけますよね!
少し分り辛いと思いますので実際のアニメで例えてみましょう。
あの大ヒットしたアニメ作品『鬼滅の刃』の制作委員会は下記3社です。
- ufotable
- アニプレックス
- 集英社
鬼滅の刃のアニメ化企画は原作漫画の連載開始から少し経過した段階で提案されていました。そして、その提案者がアニプレックス所属で本作のプロデューサーでもある高橋祐馬さんです。
当時は宣伝プロデューサーであった高橋祐馬さんは、ジャンプらしいテーマと単なる勧善懲悪ではない人間ドラマに魅力を感じ、集英社に企画書を提出。
その後、『鬼滅の刃』のプロデューサーに就任し、本格的に企画が動き出すと同時にアニメーション制作スタジオとして高橋祐馬さんは十数年来の関係があるufotableを選び、合計3社で鬼滅の刃の制作を始めました。
通常10社近い企業からの出資が当たり前なのですが出資企業が多くなることによりアニメーション制作に制約が出てしまうことを避けるため必要最低限の出資企業にしたようです。



ちなみに鬼滅の刃のアニメ監督は外崎 春雄さんよッ!



近藤 光さんもプロデューサーとして参加していますね
このように、プロデューサーが「0から1を生み出す」企画と事業の責任者であるのに対し、監督は「1を100に高める」制作現場の責任者だと言えます。
役割は全く異なりますが、どちらもアニメ制作には不可欠な存在です。
将来的にどちからになりたいと思っているのなら、この二つの違いを事前に知っておいた方がいいので、この機会に是非覚えていってください。
アニメ監督になる方法とは?


アニメ監督やプロデューサーになるための最も確実な道は、アニメ制作会社などに入社し、制作の最前線で実務経験を積むことです。
なぜなら、監督は多くのクリエイターを率いる「現場」のリーダーであり、プロデューサーは企画や予算を管理する「事業」のリーダーだからです。
どちらの立場であっても、制作の流れや各セクションの仕事を肌で理解していなければ、チームを成功に導くことはできません。
大まかな流れとしては以下になります↓


中には自分で独立してアニメ監督になったり、自身が作った動画などが偉い人の目に留まり監督に任命されることで監督になっている人もいますが、王道ルートとしては地道に経験を積むことでしょう。
これだけでは、まだパッと来ないと思いますので下記でより詳しく紹介していきたいと思います。
- アニメ監督の場合
- アニメプロデューサの場合
- 最初の一歩は専門学校がおすすめ!
それぞれ説明していきますので、参考にしてみてください。



どっちになろうかしら?
アニメ監督の場合


「アニメ監督になるには」どうすればいいか、その答えとして、まず『アニメーター』として制作現場に入り、クリエイターとしての技術と視点を磨き上げるのが王道のキャリアパスの一つです。
なぜなら、監督の仕事は「絵を動かして物語を語る」ことの頂点にあり、アニメーターとしてキャラクターに命を吹き込む経験は、その最も重要な基礎となるからです。
現場で画力や表現力を徹底的に学ぶことで、将来チーム全体を導くための説得力が身につきます。
アニメーターの道のりは、主に以下のステップで進んでいきます。
- 第一歩:動画マン(どうがまん) キャリアの第一歩は、多くの場合「動画マン」から始まります。役割は、キーとなる絵(原画)の間を繋ぐ絵を描き、動きを滑らかにすること。小学生のころに描いたパラパラ漫画で、絵の枚数を増やして動きをスムーズにする作業を、プロの世界で行うイメージです。
- ステップアップ:原画マン(げんがまん) 動画マンとして数年経験を積んで実力が認められると、動きの要所を描く「原画マン」へとキャリアアップします。キャラクターの表情やアクションの迫力など、シーンの「見せ場」を創り出す、アニメーターの主役とも言えるポジションです。
- 監督への道:原画マンとして高い評価を得た後、チームの作画をまとめる「作画監督」や、各話の演出を担う「演出家」といった役職を経験します。ここで作品全体を見渡す視野を養い、最終的に作品全体を統括する「アニメ監督」へと至るのが一般的な道のりとなります。
このように、アニメーターから始まる道は、「アニメ監督になるには」非常に理にかなったルートです。
絵を描くことからキャリアを始め、徐々に視野を広げて作品全体を俯瞰する立場へと成長していく。この経験こそが、将来あなたの監督としての大きな武器になるでしょう。



アニメーターって憧れるわよねッ!
アニメプロデューサの場合


アニメプロデューサーを目指す場合、多くは「制作進行」としてキャリアをスタートさせ、プロジェクト管理の専門家としてステップアップしていくのが一般的な道筋です。
なぜなら、プロデューサーの仕事は、予算、スケジュール、そして大勢のスタッフという「資源」を管理し、プロジェクトを成功に導くことだからです。
制作進行として現場の隅々まで知り尽くし、管理能力を徹底的に鍛えることが、将来プロジェクト全体を統括するための土台となります。
プロデューサーへの道のりは、主に以下のステップで構成されています。
- 第一歩:制作進行(せいさくしんこう) まず「制作進行」として、各話数のスケジュール管理を担当します。演出家や作画監督と打ち合わせを重ね、各工程が滞りなく進むようスタッフ間の調整役を担う、まさに現場の潤滑油のような存在です。
- ステップアップ:制作デスク 制作進行として数年(一般的に5年程度)経験を積むと、複数の制作進行をまとめる「制作デスク」に昇格します。ここでは、アニメ1作品全体のスケジュールや予算を管理し、プロデューサーと直接やり取りしながら、より大きな視点で制作を支えることになります。
- 最終目標:プロデューサー そして、制作デスクとして十分な実績と人脈を築いた後(さらに5~10年)、ついにプロジェクトの総責任者である「アニメプロデューサー」へとキャリアアップするのです。
このように、プロデューサーへの道は、クリエイターを支え、プロジェクトを動かすマネジメントのプロを目指すキャリアです。
「アニメ監督になるには」という夢を持つあなたも、こうした「全体を動かす」役割に興味があるなら、プロデューサーという選択肢も視野に入れてみてはいかがでしょうか。



制作進行からアニメ監督になる人も居ますよ
最初の一歩は専門学校がおすすめ!


「アニメ監督」「プロデューサー」になるには、厳しい現実を乗り越える覚悟と、夢への最短ルートを選ぶ戦略が重要です。そのための最も効果的な第一歩が、専門学校などで業界直結のスキルを学ぶことだと言えるでしょう。
なぜなら、アニメ業界は情熱的な人材が集まる一方で、平均年収が日本の平均より低い傾向にあるなど、厳しい労働環境も指摘されているからです。長年の下積み後も、誰もが監督やプロデューサーになれる保証はありません。
だからこそ、未経験から独学で飛び込むのではなく、プロとして即戦力になる知識と技術、そして何より「就職へのコネクション」を最初に確保することが、夢を諦めないための賢明な判断なのです。
例えば、業界との強いつながりを持つ「アミューズメントメディア総合学院」のような専門学校には、あなたのキャリアに合わせたコースが用意されています。
- 監督・アニメーター志望なら 「アニメーター・監督専攻」では、将来の作画監督やキャラクターデザイナーをも見据えた、プロの画力と表現技術を基礎から学べます。
- プロデューサー志望なら 「制作・プロデューサー専攻」では、制作進行やプロデューサーに不可欠なプロジェクト管理能力を、実践を通して身につけることが可能です。
そして特筆すべきは、この学院の2019年・2020年度卒業生の業界就職率が100%という実績です。
これは、2年間の集中的な学びが、アニメーターや制作進行としてのキャリアのスタートラインに立つための、確実な切符になることを示しています。
このように、「アニメ監督になるには」、情熱だけでなく、厳しい現実を見据えた上で「確実な第一歩」を踏み出すことが何よりも大切です。
初心者からでも業界を目指せる専門学校は、あなたの夢を現実にするための、最も確かな投資の一つになるでしょう。



しかも入学されるほとんどの人が初心者で、大学生や社会人を経験してから入学されている人も沢山いるみたいです



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アニメ監督の仕事内容を解説


アニメ監督、プロデューサーになるには、憧れだけでなく、仕事の具体的な内容を深く理解することが不可欠です。
なぜなら、監督とプロデューサーの役割は非常に多岐にわたり、求められるスキルや適性が全く異なるからです。自分の目指すゴールが明確になれば、今何をすべきか、どんな準備が必要かという具体的なアクションプランも見えてきます。
そこで、下記ではより詳しい仕事内容について紹介していきます。
- アニメ監督の仕事内容
- アニメプロデューサーの仕事内容
それぞれ説明していきますので参考にしてください。



いろいろ勉強する必要がありそうね



頑張りましょう
アニメ監督の仕事内容


アニメ監督の仕事とは、脚本から作画、音響に至るまで、アニメ制作の全工程に深く関わり、作品のクオリティを最終的に決定づける「クリエイティブの総責任者」としての役割を担うことです。
なぜなら、アニメは100人以上の専門スタッフが関わる巨大な共同作業であり、彼らの才能を一つのビジョンに向かって束ねる「指揮官」がいなければ、作品に一貫したテーマや面白さは生まれないからです。
監督は、そのビジョンを作品の隅々にまで浸透させるという、重要な使命を持っています。
監督の仕事は、アニメ制作の3つの大きなフェーズに分かれて制作されています。30分アニメ1話に約1ヶ月、1クール(12話)で1年以上かかることもある、この長い旅路を監督がどう導くのか見ていきましょう。
- プリプロダクション(企画・設計段階) 作品の骨格を作る最も重要な段階です。監督は、プロデューサーや脚本家と議論を重ね、シナリオ(脚本)の方向性を決定します。そして、作品の設計図となる絵コンテを作成し、キャラクターの動きやセリフ、カメラワークといった演出の全てをここで固めるのです。
- プロダクション(映像制作段階) 設計図を元に、実際の映像を制作する段階です。監督は、作画監督や各アニメーターに指示を出し、キャラクターの表情や動きが意図通りに描かれているかを厳しくチェックします。原画から動画へと、絵に命が吹き込まれていく工程を管理するのです。
- ポストプロダクション(仕上げ段階) 映像が完成した後、音や編集を加える仕上げの段階です。監督は、アフレコ(声優の収録)に立ち会い、演技指導を行います。さらに、BGMや効果音の選定、映像の最終的な編集作業にも関わり、作品を完全な形へと導きます。
画像でも簡単にまとめてみましたので、参考にしてみてください。↓


このように、アニメ監督の仕事は、企画から完成まで作品の全てを統括することです。
そのため、アニメ制作に関する深い知識や演出力はもちろん、多くのスタッフをまとめる高いコミュニケーション能力とリーダーシップが不可欠な、非常に専門性の高い職業だと言えるでしょう。



私が思い描くビジョン通りに制作すれば大ヒット間違え無しよ
アニメプロデューサーの仕事内容


アニメプロデューサーの仕事とは、作品を一つの「事業」として捉え、企画の立案から資金調達、宣伝戦略まで、プロジェクト全体のビジネス面を成功に導くことです。
なぜなら、アニメ制作には1話あたり1,300万円以上、1クール(12話)で数億円という莫大な予算が必要になるからです。
単に「良い作品を作りたい」という情熱だけではプロジェクトは成立せず、グッズや配信などでどう収益を上げるか、という緻密なビジネス戦略が不可欠となります。
プロデューサーの役割は、大きく分けて「企画プロデューサー」と「制作プロデューサー」の2種類があり、両者が連携することでプロジェクトは推進されるのです。
- 企画プロデューサー(0を1にする役割) 「この原作ならヒットする!」という種を見つけ、企画書を作成し、スポンサーを回って制作資金を集めるのが主な仕事です。ターゲット層や収益モデルを設計し、プロジェクトの「無から有」を生み出す役割を担います。
- 制作プロデューサー(1を100にする役割) 集まった予算と企画の範囲内で、制作現場(プロダクション)を管理するのが仕事です。制作進行や制作デスクといった現場スタッフをまとめ、スケジュールやクオリティを管理し、作品を期日通りに完成させる責任者となります。
このように、プロデューサーの仕事は、ビジネスの視点でアニメ制作の土台を築き、プロジェクト全体を成功に導くことです。
そのためには、コミュニケーション能力はもちろん、予算管理能力や企画力といった、多岐にわたるビジネススキルが求められるでしょう。



制作予算をかき集めていくわよ~ッ
アニメ監督の年収はどれくらい?


アニメ監督やプロデューサーの年収は、経験や実績によって大きく変動しますが、トップクラスのポジションに到達すれば、業界内では高水準の収入を目指せるのが実情です。
なぜなら、監督は作品の面白さやヒットを左右する最も重要な役割であり、その責任と成果が収入に直接反映されるからです。プロジェクトの成功に大きく貢献した監督やプロデューサーには、相応の報酬が支払われる実力主義の世界となります。
例えば、「アニメーション制作者実態調査報告書2019」によると、役職別の平均年収は以下のようになっています。
- アニメ監督:平均779万円
- プロデューサー:平均592万円
ただし、これはあくまで平均値です。駆け出しの若手監督と、数々のヒット作を手掛ける有名監督とでは、収入に数倍、あるいはそれ以上の差が生まれることも珍しくありません。
作品の契約形態(TVシリーズか劇場版かなど)や、興行収入に応じたインセンティブの有無も、年収を大きく左右します。
そこで、今回は次項でもう少し詳しく説明していきますので参考にしてみてください。



お金は大事よねッ!



気になる点ですよね
アニメ監督


アニメ監督の年収は平均779万円というデータがありますが、これを大きく上回る収入を得るための一つの選択肢として、フリーランス(個人事業主)として活動する道があります。
なぜなら、会社員の場合は給与が安定している反面、大きな利益は会社に渡りますが、フリーランスは自身の実績と交渉力次第で、受け取る報酬を最大化できる可能性があるからです。
ヒット作を継続的に生み出せる実力があれば、その評価が直接収入に結びつくのです。
その好例が、『アイドルマスター シンデレラガールズ劇場』などで知られるまんきゅう監督です。まんきゅう監督は大学卒業後に個人でアニメを制作・公開していたところをスカウトされ、アニメーターなどの下積みを経験せずに監督になったという、異色の経歴を持っています。
制作会社に10年間勤務した後に独立し、フリーランスになったことで年収が大幅に増え、「ちょっとした野球選手くらい」になったとインタビューで語っていました。
- 30歳の保健体育
- 北斗の拳 イチゴ味
- アイドルマスター シンデレラガールズ劇場
このように、フリーランスとして成功すれば、アニメ監督は平均をはるかに超える年収を得られる可能性があります。
しかし、これはあくまで一例であり、誰もが成功できるわけではありません。「アニメ監督になるには」、まず会社員として実力と人脈を築き、その上で独立を考えるのが堅実なキャリアプランと言えるでしょう。



お金が全てじゃないけど、大切な点だから気になるのはしょうがなくない?
プロデューサー


プロデューサーの年収は平均592万円とされていますが、この金額は所属する企業の規模によって大きく左右されるのが最大の特徴です。
なぜなら、プロデューサーの仕事は、大規模なプロジェクトの予算や権利を管理し、事業としての成功に責任を負う役割だからです。
そのため、手掛けるプロジェクトの規模が大きく、体力のある大手企業ほど、プロデューサーに高い報酬を支払うことができる傾向にあります。
例えば、業界を牽引するような大手アニメ関連企業のプロデューサーであれば、平均年収は750万円前後になる一方、小規模な制作会社では400万円程度になることもあります。
実際に、大手出版社である「株式会社KADOKAWA」の求人情報では、プロデューサー職の予定年収が450万円~800万円と提示されており、企業の規模と待遇が比例していることが分かるでしょう。
このように、プロデューサーとして高い年収を目指すのであれば、担当する作品だけでなく、どの規模の会社でキャリアを築くかという視点が非常に重要になります。
プロデューサーに限らず「アニメ監督になるには」という道のりを考える上でも、こうした業界の構造を理解しておくことは、将来のキャリアプランニングに必ず役立つはずです。



プロデューサー職もかなりもらえますよね
有名アニメ監督達の経歴を紹介!


ここまでアニメ監督になる方法、仕事内容、年収について紹介してきました。
そして、ここでは実際にアニメ監督して活躍されてきた方がどのような流れで監督になったかを紹介していきたいと思います。
- 庵野秀明
- 山田尚子
- 近藤光
それぞれ説明していくので参考にしてください。



私もアニメ監督として名を刻むわッ!
庵野秀明
庵野秀明さんの代表作品といえば誰も知っている『新世紀エヴァンゲリオン』になります。
- ふしぎの海のナディア
- 新世紀エヴァンゲリオン
- 彼氏彼女の事情



妻は漫画家の安野モヨコさんみたいッ!
幼い頃からアニメや特撮にどっぷりとハマり、よく絵を描いていた庵野秀明さんですが高校生時代には、美術部の部長をされていました。



当時『ナカムライダー』という自主制作の映像作品が文化祭で上映されたようです
高校卒業後は就職せず、遊んでばかりいましたが親に心配され、一浪を経て当時、入試が実技のみであった大阪芸術大学映像計画学科に進学。
大学時代には自主製作映画グループである「DAICON FILM」の主要メンバーとして参加した、大阪で開催のSF大会でオープニングアニメーションや、特撮作品等を製作し、プロをも驚かせ高い評価を受けました。
その際、スタジオぬえのメンバーに誘われ『超時空要塞マクロス』の制作に参加し、アマチュアのアルバイトであるものの数話分の動画から原画までを担当されています。



この時に描いた爆発シーンが各所で評価されたみたいですね
その後は大学にあまり行っていなかったこともあり3回生時に除籍処分を受けますが、その時にはすでに『風の谷のナウシカ』への参加に伴う上京が決まっていたこともありそのまま上京しアニメーターとしての道を歩み始めます。
アニメーターとして様々な作品に参加するも原画・動画一筋でやっていくのは無理だと考え、監督・演出の仕事をメインに切り替えたようです。
そして1988年に『トップをねらえ!』でアニメ初監督を経験し、1997年には『新世紀エヴァンゲリオン』で第18回日本SF大賞を受賞とアニメーターから色々な経験を積んで監督になりました。



庵野秀明さんは1960年生まれだから初のアニメ監督の時は28歳のときですね!
山田尚子
繊細な心情描写を作品に反映させるが上手いと言われている女性監督の山田尚子さんですが、代表作品として『けいおん!』が有名です。
- けいおん!
- けいおん!!(2期)
- たまこまーけっと
山田尚子さんは幼少期に『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』、『スタジオジブリ作品』をよく好んで観ていたと同時に絵を描く事も好きで『ドラゴンボール』や『ハイスクール!奇面組』などの絵を模写されていたようです。



大学は京都造形芸術大学に進学し特撮部に所属していたようです
2004年に京都アニメーションにアニメーターとして入社して様々な経験を得て2009年には若手ながらテレビアニメ『けいおん!』の監督に抜擢されています。
- 2005年:アニメ『AIR』にて初原画
- 2007年:アニメ『CLANNAD 』で演出補佐や演出を経験
- 2009年:アニメ『けいおん!』で監督に抜擢
けいおん!では、東京アニメアワードやアニメーション神戸で優秀作品賞を受賞されていますし、当時は数々の社会現象を巻き起こす大ヒットを巻き起こしました。



「けいおん!」がキッカケで楽器を始めた人が大勢いたな~
その後も数々の作品に関わっている山田尚子さんですがアニメーションの良さについて「アニメは一コマ一コマに何かしら人間が手を加えて、コマが流れたときにはじめて動いて見える。その技術そのものに感動させられる。作品を作るときも、そうした初心を忘れないようにしている。」と答えています。
また2011年には『映画けいおん!』にて長編映画初監督を務め深夜アニメの劇場版としては史上初となる、第35回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞したという華々しい経歴の持ち主です。
近藤光
最後に、近藤光さんについての紹介です。
近藤光さんの場合は監督とプロデューサーのどちらとも経験があり、あの大人気作品である『鬼滅の刃』では制作プロデューサーも担当されています。
- フタコイ オルタナティブ(監督)
- Fate/Zero(プロデューサー)
- 劇場版 空の境界(プロデューサー)
近藤光さんは20代前半の頃にゲームなどの本を書く仕事をされていましたが、その後にアニメ制作会社に就職し『スパイダーマン』や『ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』などで制作進行を務めました。
それからも、映像コンテンツ会社のステップ映像で制作プロデューサーを務めましたが「自身が25歳だったらいたいと思う会社を作りたい」という気持ちから1999年に独立し、ufotableを設立。
近藤光さんはufotable制作作品の全てで制作プロデューサーを務めると同時にときには監督や絵コンテ、シリーズ構成を担当されたりもしています。



過去作品を見る限り、どっちかというとプロデューサー業がメインみたい!
このように、アニメ監督やプロデューサーになるまでの道のりは人それぞれです。
どうやってなるかを最終的に決めるのは自分自身になりますが、まずはアニメ制作会社に入社することがマストになりますね。
そのため、現時点で明確な道が、まだ思い付かない人は今回紹介した専門学校でアニメ制作について学ぶことをオススメします。
まとめ
今回は、アニメ監督に関わる仕事についてまとめてみました。
「アニメ監督になるにはどうすれば良いか」、その具体的なイメージは掴めましたでしょうか。
この記事では、作品の最高責任者であるアニメ監督の仕事内容から、気になる年収、そして監督になるためのキャリアパスを解説しました。
多くの監督がアニメーターや制作進行といった現場経験からキャリアをスタートさせています。決して簡単な道ではありませんが、夢を実現するためのルートは確実に存在しますので、諦める必要はありません。
まずはこの記事で得た知識を元に、業界への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょう。
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