昨今のアニメブームにより昔と比べて現在は1年で放送されるアニメの本数が相当増えています。
2000年代初めは100本程だったのに比べて、ここ最近では1年で約300本以上が放送されています。
それに伴い、将来の進路として声優を選ぶ人が増えていますが、具体的にどのようにして声優になるか分からない人も多いとことでしょう。
そこで、この記事では声優になる3つの方法と、演技未経験者がやりがちな誤った行動について紹介していきます。
他にも声優を目指すなら知っておいた方が良いこともまとめていますので、是非参考にしてみて下さい。
声優の仕事内容とは?

声優と聞くと一般的にアニメのキャラに声をあてることが仕事だと思われる方が多いと思います。
実際それは間違いではなく、一般的にはアニメのキャラや映画の人物に対しての吹き替えがメインとなります。
ですが、声優の仕事内容は声を使用する仕事なので広い範囲でみれば、ラジオやナレーションなど様々な分野で活躍することが可能です。
具体的には以下の仕事などがあります。
- アニメのアフレコ
- 海外映画やドラマの吹き替え
- ゲームやアプリゲームのアフレコ
- ラジオのパーソナリティ
- 音楽活動
- テレビ番組やCMのナレーション
- イベントMC・司会
- 舞台
声優の中で最も多い仕事はアニメのアフレコです。
しかし、年々と声優の仕事は変化を遂げています。
たとえば、直近でいうとバーチャルYouTuber(通称:Vtuber)などですね。

Vtuber?
Vtuberとは主にインターネットやメディアで活動する2DCGや3DCGで描画されたキャラクター(アバター)、もしくはそれらを用いて動画投稿・生放送を行う配信者のことを言います。
有名なVtuberとしては『キズナアイ』さんが挙げられますが最近では声優さん達も参入されていますね。
- 佐倉綾音
- 春日望
- 民安 ともえ
- 内田真礼



無名な人から有名な人まで色々な人がやっています!
また、他にもASMRの音声作品の仕事もここ最近で声優さん達が参入しています。
ASMRとは人が聴覚や視覚への刺激によって感じる、心地良い、脳がゾワゾワするといった反応・感覚のことを言い、最近ではASMRに関する音源や動画がYouTubeやInstagramなど、数多く投稿され人気を呼んでいます。
- 上坂すみれ
- 茅野愛衣
- 沢城みゆき
- 上田麗奈



他にも沢山の声優さんのASMR音声作品があるわよッ!
このように、声優といってもアニメのアフレコ作業だけでは無く様々な仕事があります。
そのため、声優を目指すのであればどんな仕事があるか一度確認してみるといいでしょう。
声優の仕事について、より詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。↓


声優になる方法を3つ紹介!


アニメやゲームまたは映画などを見て、「声優になりたい!」と考えた事がある人は多いのではないでしょうか。
ですが、声優になるにはどうすれば良いか分からない人もいると思います。
まず、第一に声優になるためには、声優事務所に所属する必要があります。
なぜなら、声優の仕事で最も多い案件であるアニメのアフレコ業は事務所に所属していないと仕事が回ってこないからです。
アニメ作品にてキャラの声を決めるオーディションは、基本的に一般募集はしておらず、制作側が各声優事務所にオーディションの話を持っていきます。
そのため、アニメを見て声優になりたいと思ったのであれば、事務所に所属してオーディションの話を貰わなければいけません。


そして、声優事務所に所属する為には大きく分けて3つのパターンがあります。


ここでは、声優になる方法として以下について紹介していきますので、参考にしてみてください。
- 養成所
- 専門学校
- 一般公募オーディション
- 例外



例外もあるのね



声優になる方法は色々あります
また、社会人から声優を目指す場合は下記の記事も参考にしてみてください。


養成所


声優になる方法1つ目は養成所に通うことです。
声優養成所とは、主に声優プロダクション(事務所)が運営している育成機関のことをいいます。
養成所の目的としては、運営する(もしくは提携する)声優事務所で活躍できる声優を育てることです。
養成所では所内オーディションがあり、そのオーディションで結果を出した人を運営している声優事務に所属させます。
- 講義による拘束時間が短いため、仕事や学業との両立が可能
- 講義内容は基礎的な内容というよりかは実践的な内容である
- 養成所に入所するためのオーディションがある
- そのプロダクションに所属しているプロ声優から学ぶ機会がある
養成所では週1回から通える場所もあるため、拘束時間が短いので仕事や学校に通っている人でも無理なく声優を目指すことが可能です。
また、養成所によっては1年間通うことで所属オーディションの参加資格を得られる場所もあり、合格することでそのまま事務所に所属することができます。
そのため、少しでも早く声優になりたいと考えている人にはおすすめです。



初心者歓迎の養成所もありますよ
養成所について、詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。↓


専門学校


声優になる方法2つ目は専門学校に通うことです。
専門学校のいいところは卒業前に複数の声優プロダクションのオーディションを受けることができることですね。
たとえば、声優の教育機関である『養成所』の場合は、その養成所を運営している声優事務所しかオーディションを受けることしか出来ず、基本的には1~2社しか受けられません。
一方、専門学校の場合は1か所だけではなく、複数のオーディションを受けることができ、専門学校によっては90社以上のオーディションを受けることが可能です。
- 授業時間が多いので、時間をかけてじっくり学べる
- 基礎的な部分から専門的な技術まで幅広く学べる
- 学校が主催するオーディションなど、デビューのためのサポートが充実
- 学歴として認められる
- 卒業時に複数のプロダクションのオーディションを受けることが可能
専門学校の講義内容としては基礎的な部分からはじまり挨拶やマナーなど、声優の技術から礼儀作法までみっちり学ぶことができます。
養成所は基本的に週1~3回に対して、専門学校は週5回の講義と二年制のため、演技初心者の人におすすめです。



じっくり声優について学びたいなら専門学校ってことねッ!
専門学校について詳しく知りたい方は、以下記事も参考にしてみてください。↓


一般公募オーディション


声優になる方法3つ目は一般公募オーディションを受けることです。
オーディションの良い所は合格さえすれば声優教育機関に通わず事務所に所属できることですね。
- 教育機関に通わず事務所に所属できる
- 安い金額で受けられる
一般オーディションであれば参加費の相場が3000円~5000円程度になりますので、オーディションに合格することができれば約5000円で声優事務所に所属することができます。
ただし、一般公募オーディションの場合はとにかく合格することが難しいと思ったほうがいいです。
実際の規模感で説明すると、声優事務所81プロデュースが毎年開催している新人声優オーディション「81オーディション」では毎回たくさんの応募者が集まるのですが2021年開催では応募人数2626名のうち優秀賞1名、特別賞獲得3名という結果に終わりました。
つまり選ばれたのは4名というわけです。
そのため、これから声優を目指そうと考えている演技初心者の場合、この方法で声優になる可能性は非常に低いと理解しといた方がいいでしょう。
また、仮に合格して事務所に所属できたとしても、1年間は事務所が運営している養成所に通う必要があったりする場合もあります。



厳しい世界です
今回紹介した事を理解した上で、一般公募オーディションを受ける場合は、少しでも通過率を上げる努力をするのが大切です。
たとえば、オーディション用の写真を自身で撮影するのではなく、プロに撮影してもらうなどですね。
オーディション写真をこだわる事で、審査員たちに書類選考の段階から好印象が与えられる可能性があるのでオススメです。
また、専門学校・養成所どちらか迷われる人は以下記事も参考にしてみてください。↓


例外について


事務所に所属するための王道ルートとしては声優の教育機関である養成所か専門学校に通うことが一般的です。
しかし、以下の様に少し例外的なルートで声優になる人もいます。
- オンラインレッスン
- 事務所に直接入所
- 声優プロジェクトに参加
オンラインレッスン
声優を目指す人の中には地方出身のため、声優教育機関が近くに無い人もいます。
基本的に声優の教育機関は東京に集中しており、地方にもありますが人の多く集まる場所にしか無い為、どうしても通うことが難しいという人もいるでしょう。
そういう人達はオンラインレッスンがオススメです。
オンラインレッスンであれば、家など自分の好きな場所でPCやスマホを使用してオンライン形式で講義を受けることができ、更には事務所に所属するためのオーディションも受けられます。
こちらの方法は、厳密に言えば専門学校に該当しますが、自宅に居ながら声優になれる可能性があるので、近くに声優の教育機関が無い人にオススメです。



自宅に居ながら声優になれるなんて最高じゃないッ!


事務所に直接入所
これまでに、一般的なルートとは違う方法で声優になった人がいます。
たとえば、声優の花江夏樹さんは声優教育機関を得て事務所に所属するという王道ルートとは、少し違う流れで声優になりました。
・四月は君の嘘(有馬公生)
・東京喰種(金木研)
・鬼滅の刃(炭治郎)
花江夏樹さんは、高校生の頃にハマっていたカラオケがきっかけで、声を使える仕事につきたい考えるようになり、アニメ「桜蘭高校ホスト部」を見て声優を志したといいます。
通常であれば、声優になりたいと考えれば養成所か専門学校に通うのが一般的なルートになります。
しかし、花江夏樹さんは声優の山寺宏一さんに憧れていた為、所属事務所の『アクロスエンタテインメント』へ直接、声優になりたいと伝える文章とボイスサンプルを送ったそうです。
そして、その熱意が伝わり3ヶ月間のワークショップという形でレッスンを受けたのち、オーディションを受け2009年11月に、預かり所属になることができました。
ただし、この方法で声優になるのは極めて可能性が低いので、仮にこの記事を見て同じ方法で声優になろうと考えている人は落ちる前提で行動した方がいいですね



2年間の預かり所属後、2012年に正所属となりました!


声優プロジェクトに参加
こちらもすこし例外的ですが、VoicePlanetプロジェクトに参加するという方法で声優を目指すこともできます。
Voice Planet(ボイスプラネット)は「声を活かしたい」「声優になりたい」という想いをカタチにし、育てていくプロジェクトになります。
イメージとしては、声優になるためのステップを完全にサポートしてくれるサービスと考えるといいかもしれません。
こちらは、「好き」「やってみたい」という気軽な気持ちで、声を活かした活動ができるようにサポートしたいという想いから生まれたのが「Voice Planet」プロジェクトです。
専門学校や養成所はデビューする為のスキルアップを目的としていますが、Voice Planetは「声を活かした活動をスタートし継続・実践すること」を目的としています。
そのため、完全サポートや継続・実践といった点に共感が持てる人は、Voice Planetプロジェクトが合っているかもしれません。



ちなみに参加資格として「20歳以上」というのがあるわよ


このように厳密にはいろいろな方法で事務所に所属することが可能です。
ですが、基本的にはやはり養成所や専門学校から事務所に所属するのが王道ルートになります。
そのため、声優になりたい人は王道ルートで声優を目指すことをオススメします。



声優になる方法は結構あるのねッ!



いろいろな方法で挑戦してみるといいですね
未経験者がやりがちなNGパターンとは?


声優への道を歩み始めたばかりで、特に演技経験がない人には、専門学校で基礎からじっくり学ぶことを強くおすすめします。
これまで声優になるためのいくつかの方法をご紹介しましたが、演技未経験の方が養成所を選ぶと、授業の厳しさや進度の速さについていけず、途中で挫折してしまうケースが少なくないからです。



わ、私は挫折なんかしないわッ!
養成所の多くは、ある程度の演技経験や知識があることを前提にカリキュラムが組まれている傾向があります。
そのため、全くの未経験から声優を目指す方にとっては、専門学校の方が基礎から丁寧に指導を受けられ、着実にステップアップできる環境が整っていると言えるでしょう。
実際に、養成所では基礎的なレッスンが省かれ、応用的な内容からスタートすることも珍しくありません。
その結果、多くの未経験者が授業のレベルの高さに圧倒され、慣れる前に辞めてしまうという話も耳にします。
例えば、ナレーター兼声優養成所の講師をされている福原安祥さんによると、入所して間もないゴールデンウィーク明けに早くも数名が辞めてしまったり、厳しい指導環境のクラスでは1年間で半数以上が脱落することもあるそうです。
養成所の主な目的は「運営母体や提携する声優事務所で即戦力として活躍できる人材を育成すること」にあります。
そのため、授業についていけない方や成果を出せない方に対して、手厚い個別フォローを期待するのは難しいかもしれません。
中には、定期的な進級試験に合格できなければ退所を余儀なくされる厳しい養成所も存在します。
しかし、専門学校であれば、演技未経験者を対象としたカリキュラムが充実しており、基礎から体系的に学ぶことが可能です。
例えば「アミューズメントメディア総合学院」では、入学者の約9割が演技未経験でありながら、2年間の学びを経てプロダクション(声優事務所)への直接所属合格率が80%以上という高い実績を上げています。
これは、未経験からでも着実に実力を養える環境があると言えるでしょう。
ですから、あなたが演技未経験から声優という夢を叶えたいと強く願うのであれば、まずは専門学校で確かな基礎を築き、自信を持って次のステップへ進むことを検討してみてはいかがでしょうか。



演技初心者は専門学校がオススメなのね



ちなみに初心者歓迎の養成所もありますよ
当サイトでは以下記事で、オススメの専門学校や選び方について紹介していますので、併せて参考にしてみてください。↓


声優に向いている人とは?


声優という夢を追いかける上で、「自分は向いているのだろうか?」と不安に思うかもしれません。
声優に向いている人に共通する大切な資質1つとして、厳しい現実を理解した上で、それでも夢を諦めずに努力し続けられる情熱と粘り強さがあります。
声優になれる確率は一般的に約3%と非常に狭き門であり、多くの方が道の途中で夢を断念してしまう厳しい世界です。
これは『ABEMA Prime』の調査で声優を目指している人が全国で30万人ほど存在しており、その内声優としてデビューできる人は1万人前後との結果を出しています。
さらに、声優の仕事だけで生計を立てられるようになるのは、その中でもほんの一握り、約300人ほどというデータもあるくらいです。
このような現実を知ると、不安を感じるのも無理はありません。
この厳しい競争を乗り越え、プロとして活躍するためには、途中で投げ出さない強い意志と、日々の地道な努力が何よりも不可欠となります。
そして、実際に強い意志を持って努力を続けた結果、夢を掴んだ声優さんもいます。
たとえば、声優の小林裕介さんは声優の道を一度諦めましたが、数年後にやはり諦めきれずに再度声優になる努力をして見事28歳という年齢で初の主演キャラの役を射止めました。
・Re:ゼロから始める異世界生活(ナツキ・スバル)
・Dr.STONE(石神千空)
・炎炎ノ消防隊(アーサー・ボイル)
小林裕介さんは幼少期のころからアニメが好きで高校生時代には自転車通学中にアニメのセリフを叫びながら走っていたようです。
そして、そのことを友人に話した所「声優になれば?」と返された事が声優を目指すキッカケだったといいます。
ところが両親には猛反対され「大学は出てほしい」との意向を受け入れ、大学の理工学部に進学し卒業後は大手家電メーカーに就職して一度は声優になる夢を諦めました。
ですが、日々の生活に物足りなさを感じて休日に歌のレッスンを受けるようになり、その時の講師に「声優になりたかった」と語ったところ、「興味があるならやった方がいい」と背中を押され、再び声優の夢を追いかけて2010年に声優事務所へと所属されました。
その後伸び悩んだ時期もありつつ、2014年にテレビアニメ『ウィッチクラフトワークス』多華宮仄役で初の主役キャラを演じ、2017年には『第11回声優アワード』で新人男優賞を受賞されています。



初の主役キャラを演じた時は既に28歳だったみたいです!
これは、「諦めない心」と「継続する力」がいかに重要かを示している素晴らしい事例と言えるでしょう。
ですから、声優を目指すにあたって、発声や滑舌といった技術を磨くことはもちろん重要です。
しかしそれ以上に、「どんな困難があっても声優になる夢を諦めない」という強い気持ちと、その夢に向かって一歩一歩努力を積み重ねる姿勢こそが、あなたが声優への扉を開くための最も大切な鍵となるのです。



諦めないで進み続けるわよッ!
また、少なからず声優に向いている性格や特徴というものがありますので詳しく知りたい方は下記の記事を参照にして下さい。


声優の収入は不安定?知っておきたいリアルな給与事情


声優の収入は、残念ながら最初から安定しているわけではありません。
多くの場合、実力や仕事量によって大きく変動し、特にキャリアの初期段階では厳しい現実に直面する可能性があることを、まず理解しておくことが大切です。
なぜなら、声優の多くは会社員のように毎月決まった額の給料が保証されているのではなく、「個人事業主」として活動するからです。
これはつまり、仕事の成果に応じて報酬が支払われる「成果報酬制」が基本であり、仕事がなければ収入はゼロという月も珍しくありません。



個人事業主・・・緊張するわね
声優の7割以上が年収300万円以下であり、約半数に至っては年収100万円以下というデータも存在します。
これはあくまで業界全体の平均値であり、個々の声優の収入は本当に「人による」のが実情です。
例えば、同じ時期にデビューした二人の新人声優がいるとします。
一人は運良くアニメのレギュラー役を掴み、3ヶ月間の仕事が保証されるかもしれません。
しかし、もう一方はオーディションに受からず、同じ期間まったく仕事がないという状況も、この業界では日常的に起こり得ます。
では、声優の報酬はどのように決まるのでしょうか。
アニメや海外映画の吹き替えの場合、「ランク制」という制度が用いられ、声優の出演料は主に以下の3つの要素から計算されます。
ランク制について


基本ランク
声優の技量、キャリア、人気などによって決まります。日本俳優連合に所属する新人の場合、デビューから3年間は「ジュニアランク」となり、アニメ1本(30分枠)につき約15,000円が目安です。ランクは15から45まであり、ランク15は15,000円、そこから1ランク上がるごとに1,000円ずつ昇給し、ランク45では45,000円になります。さらにその上には、上限なしで都度交渉が可能な「ノーランク」という区分も存在します。
作品の放送時間(時間割増率)
テレビでの放送枠や劇場版の上映時間に応じて割増率が定められています。例えば、30分枠を基準(1倍)とすると、60分枠で1.5倍、120分枠で2.3倍といった具合です。
初期目的利用料率
テレビ放送、劇場公開など、作品の利用目的別に定められた利用率のことです。例えばテレビ放送の場合は80%、劇場公開の場合は150%などと設定されています。
これらを計算式に当てはめて出演料が算出されます。(ただし、ジュニアランクの場合は計算式が適用されず、一律15,000円)
仮にランク15の声優が30分枠のテレビアニメに出演した場合、基本ランク(15,000円)× 時間割増率(30分枠は1倍)× 初期目的利用料率(基本料率100%+テレビ放送利用率80%)と仮定すると約27,000円となります。
しかし、ここから事務所に所属している場合はマネージメント料として報酬額の約20~30%、さらに源泉徴収税として約10%が引かれるため、実際の手取り額は約16,000円程度です。
こうした事情から多くの新人声優は、声優の仕事だけで生活していくことが難しく、アルバイトをしながら夢を追いかけているのが現状です。
声優の収入は実力と経験、そして運にも左右される厳しい世界であることは間違いありません。
しかし、これは裏を返せば実力を磨き、多くの経験を積み、人気を得ることで収入を大幅にアップさせることも可能だということです。
声優を目指すなら、このリアルな給与事情をしっかりと理解した上で、それでも挑戦したいという方は、強い意志を持ち計画的にキャリアを築いていく覚悟が必要です。



結構厳しい給与事情なのね・・・
ここまで説明したのはアニメのアフレコや洋画の吹き替えの仕事をした場合であってランクの影響を受けない仕事もあります。興味がある方は下記の記事も参考にして下さい。


声優になるにはどれくらいお金かかるの?


声優になるためには、演技の訓練や将来の活動基盤を築くために、ある程度の費用がかかることを理解しておく必要があります。
プロの声優としてアニメやゲームなどで活躍するには、専門的なスキルを習得し、多くの場合、声優事務所への所属が不可欠だからです。
特に演技未経験から声優を目指す場合、基礎から応用まで学べる声優養成機関(専門学校や養成所)での教育が重要となり、そのための学費が主な費用となります。



声優を目指すなら専門学校や養成所の入学は必須ですね
では、具体的にどれくらいの費用を見込んでおけば良いのでしょうか。
まず、声優養成機関の学費について見てみましょう。 一般的に、1年間にかかる学費の目安は以下の通りです。
- 専門学校: 約100万円~150万円
- 養成所: 約20万円~60万円
専門学校は通常2年制が多く、養成所も1年以上在籍するケースが珍しくありません。
そのため、総額としてはこれ以上の金額が必要になると考えられます。
例えば、専門学校に2年間通う場合は200万円~300万円、養成所に2年間通う場合でも40万円~120万円程度が学費だけでかかってくる計算になります。
さらに、地方から上京して一人暮らしをする場合は、これらの学費に加えて生活費も必要です。家賃、食費、光熱費などを考慮すると、かなりの金額になるでしょう。
「学費と生活費を合わせると、一体総額でどれくらい準備が必要なのだろう…」と不安に思うかもしれません。
総務省統計局が公表している『家計調査報告〔家計収支編〕2020年(令和2年)平均結果』によれば、住居費を除いた単身世帯の生活費の平均額は12万9,556円になります。
そして、『平成30年度住 宅 市 場 動 向 調 査報 告 書(国土交通省 住宅局)』の調査にて三大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)での一人暮らしの家賃平均は7万7422円です。
そのため、1ヶ月あたりの生活費は20万円ほどになります。
仮に2年間、声優養成機関に通うと想定した場合の総費用の目安は以下のようになります。
養成所の場合(2年と想定) | 専門学校の場合(2年と想定) | |
---|---|---|
学費 | 40万~120万円 | 200万~300万 |
一人暮らし(生活費) | 約500万円 (20万円×24か月) | 約500万円 (20万円×24か月) |
合計 | 540万~620万円 | 700万~800万円 |
(※一人暮らしの生活費は、住む場所やライフスタイルによって大きく変動します。ここでは仮に月20万円としましたが、あくまで目安としてください。)
このように、実家から通う場合でも、特に専門学校であればまとまった資金が必要になります。一人暮らしをする場合は、学費と生活費を合わせるとかなりの負担となることがお分かりいただけるでしょう。
ですから、声優になる方法を具体的に考え始めたら、まず「どのような費用が」「どれくらいかかるのか」をしっかりと把握することが大切なのです。
その上で、早いうちからアルバイトなどで資金を準備したり、保護者の方とよく相談したりするなど、計画的に対策を立てていくことをおすすめします。



お金貯めとかないと・・・
より詳しい金額や対策について知りたい方は下記の記事を参考にして下さい。


声優以外の選択肢について


声優への道に不安を感じたり、「自分には難しいかもしれない」と思ったりするなら、声優を支える「サポート職」を目指す、あるいは近年活躍の場が広がっている「Vtuber」として活動するという選択肢も視野に入れてみましょう。
声優になる方法や業界について知る中で、人前で演技をすることへのためらい、業界の厳しさ、あるいは収入面の不安定さから、声優への一歩を踏み出せないと感じる方もいるかもしれません。
声優という仕事は確かに魅力的ですが、誰もが確実になれるわけではなく、プロになった後も絶え間ない努力が求められます。



声優は楽しいだけの仕事では無いって事よね
しかし、エンターテイメントの世界で輝く方法は一つではありません。
声優を多方面から支え、共に作品を創り上げる重要な仕事がありますし、また、昨今では自身の声や個性を活かして表現できる新たな舞台も登場しています。
例えば、あなたが声優になりたいという気持ちは持ちつつも、以下の不安を抱えているとしましょう。
- 「大勢の前で演技をするのは、まだ想像もできない…」
- 「業界の現実を知って、自分が声優になれる自信がなくなってきた…」
- 「声優の仕事は魅力的だけど、収入が不安定だと将来が心配…」
このような場合、声優という目標に固執するだけでなく、少し視野を広げてみることで、あなたに合った道が見つかるかもしれません。
選択肢1:声優をサポートする仕事
アニメ作品一つとっても、声優の演技以外に、作画、音楽、編集など多くの専門家が関わっています。
声優の仕事がアニメのアフレコ以外にも多岐にわたるように、それら全ての仕事には声優以外のスタッフが不可欠です。
まさに、一つの作品やイベントは、多くの人々の協力によって成り立っています。 具体的に声優をサポートする仕事には以下のようなものがあります。
- 声優マネージャー: 声優のスケジュール管理、営業活動、現場への同行、メディア対応など、声優が仕事に専念できるよう全面的に補佐します。
- アニメ監督: 作品全体の演出を手掛け、声優の演技指導も行うことがあります。
- 音響監督: アフレコ現場で声優の演技指導や録音、音響効果の調整などを行います。
- 声優雑誌編集者: 声優のインタビュー記事や特集を企画・編集し、ファンに情報を届けます。
- ラジオ番組の制作スタッフ: 声優が出演するラジオ番組の企画や運営に携わります。
- 振付師: 声優がライブイベントなどでパフォーマンスを行う際の振り付けを担当します。
これらの仕事は、声優を最も近い場所で支え、共にコンテンツを作り上げる喜びを感じられるでしょう。



声優に関わる仕事は他にも色々とありますよ
選択肢2:Vtuberとして活動する
もう一つの選択肢として、Vtuber(バーチャルYouTuber)として活動があります。
Vtuberは、アバター(自分の分身となるキャラクター)を使って、ゲーム実況、歌、雑談など様々なジャンルの動画配信やライブストリーミングを行う人々です。
声優を目指すあなたにとって、Vtuberは以下のような魅力があるかもしれません。
- 声の演技力を活かせる: キャラクターになりきって声を演じることは、声優のスキルと直結します。
- 顔出しせずに活動できる: 「人前に出るのは少し苦手…」という方でも挑戦しやすいでしょう。
- 個性を発揮しやすい: 企画内容やキャラクター設定など、自分のアイデアを活かして活動できます。
- 表現の場を自分で作れる: オーディションに合格しなくても、自分の力でファンを獲得し、活動の幅を広げられる可能性があります。
もちろん、Vtuberとして人気を得るには、トーク力、企画力、継続的な努力など、声の演技以外のスキルも求められます。
しかし、声を使って表現したいという思いがあるなら、検討してみる価値のある道の一つです。



Vtuber活動からアニメ映画に声優として出演した人もいるのよねッ!
ですから、もし「自分自身が声優になるのは難しいかもしれない」と感じたとしても、それで夢を完全に諦める必要はありません。
「声優を支える仕事」を通じて業界に貢献する道や、Vtuberとして「新たな形で表現する」道など、あなたの個性やスキルを活かせる多様な関わり方があることを知っておきましょう。
演技経験がまだ浅い方にとっても、これらの選択肢は将来につながる貴重な経験となるはずです。
声優に関わる仕事やVtuberについて詳しく知りたい方は以下記事も参考にしてみてください。↓




まとめ
声優を目指す方にとって、事務所所属への道筋は重要です。
本記事では、未経験から声優になるための主要な3つのルート「専門学校」「養成所」「オーディション」を比較し、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。
特に専門学校は、基礎から体系的に学べるため、演技未経験者に最適な選択肢としてオススメです。
記事内では、これらのルートを選ぶ上での注意点や、未経験者が陥りがちなNGパターンについても触れれています。
「自分に合った方法はどれか」「何から始めれば良いのか」といった疑問を持つ方にとって、有益な情報になるはずなので、声優への夢を叶える第一歩として、ぜひご一読ください。
コメント