VTuberのキャラ設定や動画企画は完璧。なのに、いざカメラを前にすると「このキャラなら、どう振る舞えば…?」と、手が止まってしまっていませんか?
その悩み、実はあなたのセンスや演技力の問題ではないかもしれません。
多くの人が、素晴らしい「キャラ設定」は作れても、それを具体的な「演技」に変えるための“手順”を知らず、ショート動画の撮影時に手が止まってしまいます。
この記事では、ショート動画の撮影時に “迷わず演じられる” ようになるための、あなただけの専用「ルールブック」の作り方について紹介していきます。
ショート動画の撮影時に “演技” で迷っても、この専用ルールブックを読めば、直ぐに自分のキャラを演じることが可能になるので、ぜひ参考にしてみてください。
「ネタ」も「戦略」も完璧。なのに、VTuberショート動画で“キャラ”が動かせないあなたへ

結論として、あなたがVTuberのショート動画でキャラクターを “演じきれず” に手が止まっているのは、あなたの知識やセンスが原因ではありません。
なぜなら、キャラクターの「設定」は完璧に作れても、それを具体的な「演技」に変換するための、明確な “方法” を知らないからです。
例えば、キャラクターのコンセプトはしっかり固まっている。ショート動画で何を話すかというネタも決まっている。
それなのに、いざ収録しようとすると「このキャラらしい話し方って?」「どんな言葉遣いが正解なの?」と、正解のない問いに頭を悩ませ、動けなくなってしまう…。
そんな悩みを抱えている人が多いのではないでしょうか?
この記事では、あなたがすでに持っている素晴らしいキャラクター設定を元に、どの様にしてファンを魅了する「演技」に変えるための、具体的で誰にでも真似できる “手順” について解説していきます。

動画企画は完璧なのに、どういう感じで話したらいいのか分からないのよね…



誰もが悩む点ですよね。この記事を読んで解消させましょう!
当サイト(声すた!)では、ショート動画の企画(ネタ)の出し方についても、以下記事で詳しく紹介していますので、良かったら参考にしてみてください。


なぜあなたのショート動画は“キャラ”が乗り移らないのか?設計図と演技を繋ぐピースとは


コンセプトは完璧なはずなのに、なぜか演技になるとぎこちなくなってしまう…。
その原因は、あなたのセンスや努力不足ではなく、「キャラクター設定」と「演技」を繋ぐための、ある重要なピースが欠けているだけかもしれません。
ここでは、その原因について、以下の2つを説明します。
- 優秀な人ほど陥る「コンセプトは完璧なのに動けない」という悩みの正体
- その悩みを解決する、アイデアを“演技”に変換する具体的な「プロセス」
まずは、なぜあなたが動けなくなってしまうのか、その心のブレーキの正体から一緒に見ていきましょう。



シッカリ読んで自分の殻を破るわよッ!



難しいことは書いていないので、安心してください
Vtuberのキャラ設定について、以下記事でも紹介していますので併せて参考にしてみてください。


優秀な人ほど陥る「コンセプトは完璧なのに動けない」という悩み


皮肉なことに、キャラクターのコンセプト作りを真剣に頑張った人ほど、「どう演じればいいか分からない」という壁にぶつかってしまう可能性があります。
なぜなら、自身が生み出したキャラクターへの愛情が深いからこそ、「中途半端な演技で、この子の魅力を損ないたくない」という強い想いが、無意識のうちに行動のブレーキになってしまうからです。
例えば、「古の魔法図書館に住む、ミステリアスな魔法使い」という設定を完璧に作り上げたとします。
すると、単に「ありがとう」と感謝を伝えるだけのシーンですら、「このキャラらしい声のトーンは?」「どんな言葉を選ぶのが正解…?」と考え込んでしまうでしょう。
結果的に、自身で作り上げたキャラクター設定について真剣に考えるほど、最初の一歩が踏み出せなくなってしまいます。
つまり、あなたが今動けずにいるのは、才能がないからではありません。
むしろ、それだけ真剣に自分のキャラクターと向き合っている、情熱の証とも言えます。



頑張って作り上げたキャラ設定を壊すわけにはいかないわッ!
あなたに足りないのは技術じゃない。アイデアを“演技”に変換する「プロセス」です


ここまで、「コンセプトは完璧なのに動けない」という壁を乗り越えるのに、センスや特別な演技力は必要ないと説明してきました。
そして、あなたがこれから学ぶべきことは、キャラクター設定を、どのようにして具体的な「演技」へと、落とし込んでいくための手順です。
例えば、「クールで皮肉屋な魔法使い」というキャラ設定(コンセプト)があったとします。
それを自分で企画して作成した台本に対して、「どういう声で、どんな言葉で演じるのか」という具体的な演技に落とし込むのかという “手順” です。
それさえ分かれば、ショート動画の撮影時に演じる、「キャラクター表現」は感覚的なものではなくなります。
そして、この記事の最終ゴールは、キャラを演じる際に “守る必要” がある、あなただけの『ルールブック』を完成させることです。



撮影時にキャラ表現に迷った時はルールブックを見れば解決できるようになります
VTuberのキャラがブレなくなる!「3つの核(コア)言葉」設定方法
言葉」設定方法-e1760612108969.jpg)
言葉」設定方法-e1760612108969.jpg)
ショート動画を作るたびにキャラクターの言動が微妙に変わってしまう…。
そんな「キャラがブレる」という悩みを解決する最も簡単で強力な方法が、あなたのキャラクターの魂となる「3つの核(コア)言葉」を決めることです。
先ほど、「ルールブック」を作るのが最終目標(ゴール)と言いましたが、これから決める「3つの核言葉」は、そのルールブックの全ての工程で何度も確認する、最も重要な『コンパス』の役割を果たします。
ここでは、以下の3つのステップで、あなたの演技の土台をガッチリ固めていきましょう。
- あなたのキャラクターの「核」となる3つの言葉の決め方
- なぜその言葉が、演技のブレをなくす「コンパス」になるのか
- 【具体例】キャラ設定から生まれる3つの核言葉
まずは、あなたのキャラクターの核言葉を見つけ出す、最初のステップから始めていきましょう。



「3つの核(コア)言葉」なんて決める必要あるの?



最終的に作り上げる「ルールブック」を作るのに必要です
まずはあなたのキャラクターの「核」を3つの言葉で定義しよう


まず最初に、あなたのキャラクターの「魂」とも言える、たった3つのキーワードを決めましょう。
なぜなら、この3つの言葉が、今後のあなたの演技すべてにおける判断基準となり、キャラクターのブレを防ぐ「絶対的な軸」になるからです。
難しく考える必要はありません。
あなたのキャラクターの「性格」「好きなこと」「得意なこと」などを思い浮かべ、「優しい」「ゲームが好き」「おしゃべり」「猫」「探求心」といったように、思いつく単語をたくさん書き出してみてください。
その中から、最もキャラクターの核を表していると感じる言葉を3つだけ選び抜きます。
例えば、先ほど例に出した「古の魔法図書館に住む、ミステリアスな魔法使い」で考えてみましょう。
このキャラクターの魂を3つの言葉で表すなら、「クール」「皮肉屋」「探求者」といった組み合わせが考えられます。
一見複雑な設定も、たった3つの言葉に集約することで、キャラクターの「核」がクッキリと見えてきます。
そして、この3つの言葉核を元にショート動画でキャラを演じる為の「ルールブック」を作るので、まずはあなたのキャラクターを最も的確に表す3つの言葉を、紙に書き出してみましょう。



キャラの軸となる3つの言葉か…
なぜ「3つの言葉」が、演技のブレをなくすコンパスになるのか


「3つの核言葉」は、あなたが演技の方向性に迷ったときに、いつでも立ち返れる「絶対的なコンパス」になります。
なぜなら、ショート動画の台本作りや収録で「このセリフ、このキャラらしいかな?」「このリアクションは合ってる?」と不安になった時、この3つの言葉に照らし合わせるだけで、進むべき道が明確になるからです。
例えば、あなたの核言葉が「クール」「皮肉屋」「探求者」だとします。
そんなあなたが、ショート動画の撮影時で台本に「喜ぶ反応」と記載があった場合、高い声で「わーい!うれしいな♡」と演じるのは、明らかにコンパスが指す方角とは違いますよね。
きっとこのキャラクターなら、少し口角を上げて「…なるほど。面白い意見だ」と返す方が、ずっと “らしく” なるはずです。
このように、明確な基準(コンパス)を持つことで、感覚に頼った曖昧な演技から卒業できるので、まずは自分のキャラ設定を元に3つの言葉を書き出してみてください。



キャラ表現をブレずにするには大切な事ですよね
【具体例】キャラ設定から生まれる3つの核言葉


ここでは、あなたがすでに作り上げた素晴らしいキャラクター設定から、どのようにして「3つの核言葉」を抽出するのか、具体的な例をいくつか見ていきましょう。
この作業は、新しい設定を作るのではなく、あなたのキャラクターの魅力的なコンセプトを、よりシンプルで使いやすい「キーワード」に変換する、いわば翻訳作業のようなものです。
例1:「古の魔法図書館に住む、ミステリアスな魔法使い」の場合
コンセプト
このキャラクターの魅力は「ミステリアス」な雰囲気、「魔法」や「図書館」と言っ世界観。そして知的な探求心、そして少し人を寄せ付けないような独特の言い回しが特徴。
核言葉への変換
ミステリアスな雰囲気 → 「クール」
人を寄せ付けない独特の言い回し → 「皮肉屋」
魔法や図書館への知的好奇心 → 「探求者」
例2:「太陽みたいに明るい、ちょっとドジなみんなの妹分」の場合
コンセプト
このキャラクターの魅力は、その場の空気を明るくする存在感、見ていて飽きない少し抜けたところ、そして誰からも愛される親しみやすさ。
核言葉への変換
太陽のような明るさ → 「元気」
少し抜けているところ → 「おっちょこちょい」
みんなの妹分という存在感 → 「太陽」(※象徴的な言葉をそのまま使ってもOK)
例3:「異世界から来た、丁寧で物腰柔らかいポンコツ騎士」の場合
コンセプト
異世界の騎士としての「真面目さ」と「高貴さ」がありつつも、現代の常識に疎い「ポンコツ」な部分が愛されるギャップ。常に敬語を使うなど、言葉遣いにも特徴がアリ。
核言葉への変換
騎士としての真面目さ → 「誠実」
物腰の柔らかさ → 「丁寧」
現代常識に疎いギャップ → 「ポンコツ」
例4:「電脳世界に住む、気だるげで眠そうな天才ハッカー」の場合
コンセプト
天才的なハッキングスキルという「クール」な要素と、常に眠そうで「気だるげ」な雰囲気のギャップが魅力。好きなもの(エナジードリンクなど)へのこだわりも強い。
核言葉への変換
気だるげで眠そうな雰囲気 → 「気だるげ」
天才的なハッキングスキル → 「天才」
好きなこと以外に無頓着 → 「省エネ」
例5:「お菓子作りが趣味の、優しくておっとりしたお姉さん」の場合
コンセプト
全てを包み込むような「優しさ」と、少し天然で「おっとり」した性格が魅力の中心。お菓子作りという具体的な趣味が、キャラクターに温かみを加える。
核言葉への変換
全てを包み込む優しさ → 「包容力」
少し天然な性格 → 「おっとり」
お菓子作りという温かみ → 「癒やし」
いかがでしょうか。あなたが情熱を注いで作り上げたキャラクター設定も、このように3つの言葉に集約することで、ショート動画でどう振る舞うべきか、という具体的な「コンパス」が手に入ります。



この3つのキーワードを元にルールブックを作成していくのね
キャラクターの「声」と「話し方」の決め方


キャラクターの「核言葉」が決まったら、次はそれを具体的な「声」と「話し方」の指針に落とし込んでいくステップです。
ここでは、先ほど決めた「3つの核言葉」というコンパスを頼りに、あなたの演技の土台となる、オリジナルの「話し方シート」を一緒に完成させましょう。
このシートがあれば、「このキャラならどう話すんだろう?」という演技の迷いがなくなり、自信を持ってカメラとマイクの前に立てるようになります。
具体的には、以下の流れで進めていきます。
- Step1. 声の「トーン」を決める
- Step2. 話し方の「雰囲気」を具体的にする
- 【完成!】あなただけの「話し方シート」
まずは、キャラクターの印象を大きく左右する「声のトーン」の決め方から解説しますので参考にしてみてください。



む、難しくなってきたわね…



誰でも出来るくらい簡単なので、安心してください
Step1. 声の「トーン(高低・速さ・強弱)」を決める
」を決める-e1760613081302.jpg)
」を決める-e1760613081302.jpg)
「3つの核言葉」を元に、キャラクターの「声の高さ・話す速さ・声の強弱」という3つの項目を具体的に設定します。
なぜなら、声のトーンを設定することで、「このキャラらしい声ってどんな感じだっけ?」という収録のたびに生じる感覚的な迷いがなくなり、いつでも安定してキャラクターを表現できるようになるからです。
先ほど考えた5つの具体例を使って、どのように設定していくかを見ていきましょう。
例1:「クール」「皮肉屋」「探求者」の場合
声の高さ:やや低め
話す速度:落ち着いてゆっくり
声の強弱:抑揚をつけず淡々と
【補足】
「クール」で知的な「探求者」という核は、感情的な起伏の少なさや落ち着きを連想させます。そのため、声のトーンは低く、速度もゆっくりになります。
また、「皮肉」は感情的に叫ぶよりも、淡々とした口調で言う方が効果的なため、声の強弱はつけない方が“らしく”なります。
例2:「元気」「おっちょこちょい」「太陽」の場合
声の高さ:少し高め
話す速度:テンポよくハキハキ
声の強弱:感情豊かに大きく
【補足】
「元気」で「太陽」のような存在感は、聴いているだけで明るい気持ちになるような、高めの声とテンポの良い話し方を連想される人が多いでしょう。
「おっちょこちょい」という核も、コロコロ変わる豊かな感情表現(=声の強弱が大きい)によって、より魅力的に表現できます。
例3:「誠実」「丁寧」「ポンコツ」の場合
声の高さ:標準的
話す速度:丁寧さを感じさせる落ち着いた速度
声の強弱:穏やか
【補足】
「誠実」で「丁寧」という核は、相手に威圧感を与えない、標準的な高さの声と落ち着いた話し方によって最も伝わると考えられます。
感情の起伏を穏やかにすることで、信頼感や安心感を与えます。この丁寧な話し方と、「ポンコツ」な発言内容のギャップが面白さを生む可能性があります。
例4:「気だるげ」「天才」「省エネ」の場合
声の高さ:低め(ボソボソと話すような省エネな発声)
話す速度:遅く
声の強弱:ほとんどつけない
【補足】
「気だるげ」で「省エネ」という核は、「なるべくエネルギーを使いたくない」という行動を連想する人が多いでしょう。
声を張る、早口で話す、抑揚をつける、といった行動はすべてエネルギーを消費します。これらを徹底的に排除することで、気だるげな天才という唯一無二のキャラクターが際立ちます。
例5:「包容力」「おっとり」「癒やし」の場合
声の高さ:やや高め
話す速度:ゆっくりとした優しい話し方
声の強弱:つけすぎず、常に穏やか
【補足】
「包容力」や「癒やし」は、相手を安心させることが目的です。
高すぎず低すぎない優しい声の高さ、急かさないゆっくりとした速度、そして驚かせない穏やかな声の強弱。これら全てが、聴いている人をリラックスさせる「癒やし」の効果を生み出します。
このように、キャラコンセプトから決めた核言葉を元に、更に3要素に分解して考えることで、漠然としていたキャラクターの声のイメージが、誰にでも再現可能な「演技の指針」に変わります。



ショート動画を撮影する際の声の「高さ」「速さ」「強弱」を決めるわけね
ここまで読んで、「自分は地声が低いから、高めの声に設定したキャラクターは無理かもしれない…」と不安になった方はいませんか?
どうか、安心してください。
ここで決めた声の「高い」「低い」は、あくまであなたの地声と比べてどう演じるか、という指針です。あなたが普段話している声よりも「少しだけ高め」を意識するだけで、キャラクターの印象は十分に変わります。
せっかく情熱を込めて作り上げたキャラクター設定を、あなたの声という素晴らしい個性が原因で諦める必要はまったくありません。
むしろ、あなたの “声” で演じるからこそ、そのキャラクターは他に誰も真似できない、唯一無二の存在になります。
Step2. 話し方の「雰囲気」を具体的にする


声のトーン設定が決まったら、次に「3つの核言葉」を元に、キャラクターの「話し方の雰囲気」を設定しましょう。
これは、「このキャラクターなら、どんな雰囲気で話すかな?」という大まかな方向性を決める作業です。
これを決めるだけで、あなたの言葉の一つひとつに自然な形で “キャラクターらしさ” が宿るようになります。
今回も、5つの例がどのような「話し方の雰囲気」を持つかを見ていきましょう。
例1:「クール」「皮肉屋」「探求者」の場合
話し方の雰囲気
感情的な言葉を避け、事実や分析に基づいた知的で落ち着いた話し方を心がけます。
これを、先ほど決めた『やや低め』で『抑揚のない』声で話すことで、ミステリアスな「探求者」の雰囲気が完成します。
皮肉を言う時も、この冷静なトーンを保つのがポイントです。
例2:「元気」「おっちょここい」「太陽」の場合
話し方の雰囲気
明るい擬音語(キラキラ、わくわく等)や感嘆符(!)を多用し、感情をストレートに表現する、親しみやすい話し方が似合います。
これを、先ほど決めた『少し高め』で『テンポのよい』声で表現することで、聴いているだけで元気になる「太陽」のような存在感が生まれます。
例3:「誠実」「丁寧」「ポンコツ」の場合
話し方の雰囲気
基本は常に丁寧語を心がけ、相手への敬意を忘れない話し方をします。
この丁寧な雰囲気を、先ほど決めた『標準的』で『穏やか』な声で話すことで、キャラクターの誠実さが伝わります。
丁寧な話し方と、「ポンコツ」な発言内容のギャップこそが、最大の魅力になります。
例4:「気だるげ」「天才」「省エネ」の場合
話し方の雰囲気
最小限の言葉数で、要点だけを伝える省エネな話し方が特徴です。
この省エネな話し方を、先ほど決めた『低め』で『ボソボソとした』声で実践することで、気だるげな天才の雰囲気が一気に増します。
例5:「包容力」「おっとり」「癒やし」の場合
話し方の雰囲気
相手の言葉を否定せず、一度受け止めるような肯定的な相槌(「そうね」「素敵ね」など)を多用する、穏やかで包容力のある話し方が中心です。
この穏やかな雰囲気を、先ほど決めた『やや高め』の『優しい声』で、ゆっくりと話すことで、聴いている人を安心させる「癒やし」の空間を作り出します。
このように、話し方の「雰囲気」を決めるだけで、あなたのキャラクターはより一層、魅力的で一貫性のある存在になります。



話し方の雰囲気で印象は大分変りますよね
もしあなたが、普段の配信で自然に話しているスタイルを大切にしているなら、もちろんその話し方を優先してOKです。
その自然体こそが、あなたの最大の魅力です。
その上で、この設定はあなたの新たな魅力を引き出すための「武器」にもなります。
あえてショート動画で、ルールブックに沿って完璧にキャラクターを演じてみる。そうすることで、普段のあなたとのギャップが生まれ、ファンに新鮮な驚きと喜びを届けられます。
そのため、ショート動画の企画に合わせて、「普段のあなた」と「演じるあなた」を戦略的に使い分けるのがおすすめです。
この「演じ分け」については、記事の最後の方で詳しく解説しますので、ここではまず「なるほど、使い分けという選択肢もあるのか…」と覚えておいてください。
【完成!】あなただけの「話し方シート」


Step1とStep2を経て、あなたのキャラクターの演技の土台となる、あなただけの「話し方シート」が完成しました。
具体的にどのようなシートが完成したのか、例として「クール」「皮肉屋」「探求者」の完成見本を見てみましょう。
【完成見本】話し方シート
◆ 核となる3つの言葉(コンパス)
・クール
・皮肉屋
・探求者
◆ Step1:声のトーンのルール
声の高さ: やや低め
話す速度: 落ち着いてゆっくり
声の強弱: 抑揚をつけず淡々と
◆ Step2:話し方の雰囲気のルール
感情的な言葉を避け、事実や分析に基づいた知的で落ち着いた話し方を心がける。
この雰囲気を、上記で決めた『やや低め』で『抑揚のない』声で話すことで、ミステリアスな「探求者」のキャラクターが完成する。
皮肉を言う時も、この冷静なトーンを保つのがポイント。
いかがでしょうか。 ショート動画の台本作成でセリフに悩んだ時やフリー台本を利用した時など、「このキャラなら、この場面でなんて言うだろう?」と迷ったら、いつでもこの「話し方シート」に立ち返ってください。
そこには、あなた自身が決めた明確な答えが、全て書かれているはずです。
そして、この「話し方シート」が、私たちがこれから完成させる『ルールブック』の重要なパーツになります。



このシートがあればショート動画時にどんな風に話せばいいか分かりやすいわねッ!
どんなネタも“キャラの台詞”に変わる。「感情変換」実践テクニック


ここまで読んだ人は、キャラクターの演技の土台となる「話し方シート」が完成しました。
ここでは、そのシートを実際に使って、どんな台本も一瞬で “あなたらしい” セリフに変えてしまう「感情変換」という実践テクニックを以下の3つのステップで、一緒に学んでいきましょう。
- 「嬉しい」を、あなたのキャラクターならどう表現するか?
- あらゆる感情を“キャラ語”に変換する感情変換チャートを作ろう
このテクニックをマスターすれば、あなたの『ルールブック』はほぼ完成したも同然です。



最後のパーツを組み立てていくわよッ!



自分だけのルールブック完成まであと少しです!
「嬉しい」を、あなたのキャラクターならどう表現する?


「嬉しい」というありふれた感情も、あなたが作った「話し方シート」というフィルターを通すだけで、キャラクターならではの特別なセリフに生まれ変わります。
先ほど決めた「3つの核言葉」と「話し方シート」を使うことで、そのキャラクターが “どう反応するか” という行動パターンを安易にイメージできるようになります。
そして、このイメージできることがとても大切であり、同じ「嬉しい」という感情(気持ち)でも、キャラクターによって表現方法が全く違ってきますよね。
例えば、核言葉が「クール」「皮肉屋」「探求者」のキャラクターを思い出してください。
このキャラクターが、ファンから素敵なイラストをもらって「嬉しい」と感じた時、大声で「わーい!ありがとう!」と喜ぶでしょうか?おそらく違いますよね。
話し方シートに書かれた「知的で落ち着いた話し方」と「やや低めで抑揚のない声」という指針に従えば、自然と「…なるほど。この光の表現は実に興味深い。感謝する」といった、彼(彼女)らしい感謝の表現が生まれてくるはずです。
このように、「嬉しい」というたった一つの感情も、あなたが作り上げた指針(フィルター)を通すことで、キャラクターの魂が宿った、唯一無二のセリフに変わります。
今回は「嬉しい」という感情を例に説明しましたが、他にも「悲しい」や「怒り」と言った反応もキャラクターによって違ってきます。



確かに「嬉しい」という感情1つ取っても、キャラクターによって反応は違うわよね
あらゆる感情を“キャラ語”に変換する感情変換チャートを作ろう


あなたは、ここまで読んで「嬉しい」という一つの感情を取っても、キャラクターによって “表現方法” が違うことを学びました。
ここでは、その考え方を全ての感情に応用できる、あなただけの「感情変換チャート」を作っていきます。
このチャートを完成させる理由は、台本のセリフを、一瞬で “あなたらしい” 言葉に変える「翻訳機」を手に入れることにあります。
例えば、どんな台本にでも書いてありそうな「ありがとう!」という、ありふれたセリフ。
あなたのキャラクターが「クール」「皮肉屋」「探求者」を元に作成したチャートを見れば、「…フン、感謝する」という、あなたのキャラに合ったセリフに変換できます。
そして、これと同じ様に “他の感情” を変換した言葉を予め作成しておきましょう。
そうすることで、フリー台本などを利用した時でも、ありきたりなセリフを自分のキャラにあったセリフに即変換することが可能になり、個性溢れるショート動画が完成します。
ぜひ、紙とペンを用意して、あなたが決めた「3つの核言葉」と、完成させた「話し方シート」を横に置きながら、一緒にやってみましょう。
以下は、「クール」「皮肉屋」「探求者」のキャラクターを例にした、チャートの記入例です。
記入例
感情 | あなたのキャラクターならどう変換する? | キャラクターのセリフ例 |
嬉しい | 感情を直接出さず、知的好奇心で表現。やや低めで抑揚のない声で、淡々と。 | 「フッ…悪くない。実に興味深いな」 |
悲しい | 感傷を嫌い、悲しみさえも分析対象として捉える。ため息交じりに静かに呟く。 | 「…なるほど。これが『喪失』というデータか。記録しておく価値はありそうだ」 |
怒り | 激昂せず、相手の非合理性を指摘する形で、冷たく静かに怒りを表現する。 | 「君のその思考回路は、実に興味深いほど非論理的だな。私の時間を浪費させるな」 |
感謝 | 素直な感謝を、あくまで上から目線の評価という形で伝える。少しだけ口角を上げる。 | 「君の行動、記録させてもらった。…フン、感謝する」 |
謝罪 | 自分の非を「計算ミス」として客観的に認め、淡々と訂正する形で謝罪する。 | 「…私の仮説に誤りがあったようだ。訂正しよう。迷惑をかけたな」 |
このように、感情変換チャートを作ることで、どんな状況でも迷わずキャラクターとして振る舞える、あなただけの「辞書」が完成します。
そのため、ぜひ自分のキャラクター用の感情変換チャートを作成してみてください。



ここまで完成したらあと少しです
【いよいよ完成!】あなただけのルールブックを作り上げよう!


あなたは現在、キャラクターの演技を支える、以下3つの重要なパーツを作り上げてきました。
- 3つの核言葉
- 話し方シート
- 感情変換チャート
これらのパーツを全て組み合わせ、あなただけの『ルールブック』を完成させます。
ルールブックの作り方は非常に簡単であり、これまで決めた3点を以下のテンプレートに記入するだけです。
ルールブック用テンプレート
キャラクター名: (あなたのキャラクター名)
◆ STEP1:キャラクターの魂(3つの核言葉)
1:「」
2:「」
3:「」
◆ STEP2:声と話し方の基本(話し方シート)
声のトーン
声の高さ:「」
話す速度:「」
声の強弱:「」
話し方の雰囲気
(ここにあなたが決めた、話し方の雰囲気を書きましょう)
◆ STEP3:感情変換チャート
感情 | あなたのキャラクターならどう変換する? | キャラクターのセリフ例 |
嬉しい | ||
悲しい | ||
怒り | ||
感謝 | ||
謝罪 |
迷った時は、いつでもこのルールブックを開いてください。そこには、あなた自身が決めた「正解」が、全て書かれています。
ショート動画で台本を見たら、このルールブックを開いて自分なりの言葉に変換して、演技方法も自分で決めた方法で演じることで、そのショート動画は ”あなたの個性があふれる” 動画となっているはずです。
また、自分なりのキャラ特有の設定とかがあるなら、今回紹介したルールブックのテンプレートに項目を追加してオリジナリティあふれるルールブックを作成してみてください。



これで、ショート動画の撮影時に自分がどんな風に演技すれば良いか分かるわね!



ルールブックに他の項目を追加するのも面白いですね
【朗報】ショート動画のキャラは、配信で“演じ続けなく”ていいんです


ここまでキャラクター設定から演技する時に見る、ルールブックを作る方法を解説してきました。
しかし、もしかしたら「この完璧なキャラを、配信でもずっと演じ続けなきゃいけないの…?」と、少し不安になっていませんか?
ご安心ください。その必要は、全くありません。
なぜなら、「ショート動画」と「ライブ配信」は、似ているようで全く役割が違う、2つの異なる「舞台」だからです。
この違いを理解し、戦略的に使い分けることこそが、ファンを魅了し続け、そして何よりあなた自身が疲弊しないための秘訣です。
それぞれの舞台の役割を、具体的に見ていきましょう。
- ショート動画 = 『劇場』(新規の方向け)
ショート動画は、まだあなたのことを知らない人に見てもらうための『劇場』です。
ここでは、あなたがルールブックで作り上げたキャラクターを演じ、観客を一瞬であなたの世界観に引き込むことが目的になります。 - ライブ配信 = 『ホーム』(ファン向け)
一方、ライブ配信は、あなたのファンになってくれた人たちと、もっと仲良くなるための『ホーム(おうち)』です。
ここでは、完璧に演じる必要はありません。あなたの素に近い、人間的な魅力を見せることで、ファンとの絆を深めていく場所です。
この「劇場」と「ホーム」という使い分けを意識するだけで、「常に完璧でいなきゃ」というプレッシャーから解放されます。
そして、あなたのVTuber活動は、もっと自由で、もっと深みのあるものになるはずです。



いつもルールブック通りのキャラを演じるのは疲れちゃうから安心したわッ!



「素」と「演技」を切り分けても大丈夫です
この「劇場」と「ホーム」という考え方は、あなたを縛るための絶対的なルールではありません。
ショート動画であっても、その目的やターゲットによっては、ライブ配信で見せるような「素」のあなたで語りかける方が、何倍も効果的な場合があります。
例えば、いつも応援してくれているファンに向けた感謝のメッセージ動画を想像してみてください。
その動画で完璧なキャラクターを演じるよりも、少し照れながらも、いつもの配信のように素の言葉で「ありがとう」を伝えた方が、あなたの気持ちは深く、温かく伝わるはずです。
大切なのは、「このショート動画は、誰に、何を伝えたいのか?」を常に考え、「劇場(演じる)」と「ホーム(素で語る)」のどちらの舞台が最適かを、あなた自身が戦略的に選ぶことです。
「ショート動画=必ず演じる必要がある」と考える必要は、全くありません。
【実践ケーススタディ】もし「V子さん」がこの記事を読んだなら


ここまで、キャラクターの演技を具体化するための様々なステップを学んできました。
ここでは、もし「V子さん」という架空のVTuber準備生がこの記事を読んだら、どのようにして「演じられない」という悩みから解放されるのか、その軌跡をモデルケースとして一緒に追体験していきましょう。
V子さんの物語は、この記事を読んでいるあなたの、未来の物語です。
V子さんは、「人間界のお菓子に魅了された、ちょっとドジな元天使」という、非常に魅力的でユニークなキャラクターコンセプトを作り上げました。設定も、Live2Dモデルも完璧です。
しかし、いざショート動画を撮ろうとすると、頭が真っ白になってしまいます。
「元天使って、どんな声で話せばいいの?」「ドジなところって、どう演じれば…?」 考えれば考えるほど分からなくなり、結局、いつもの自分と変わらない喋り方しかできず、「これじゃV子じゃない…」と、収録を諦めてしまう日々が続いていました。
まず、V子さんは自分のキャラクター設定を、演技のコンパスとなる「3つの核言葉」に変換することから始めました。
- 元天使という設定 → 「高貴」
- (理由:天使としての気品や、人間を見守ってきた視点を表現するため)
- ちょっとドジな性格 → 「ポンコツ」
- (理由:完璧じゃない親しみやすさ、ギャップの魅力を表現するため)
- 人間界のお菓子に魅了された → 「食いしん坊」
- (理由:キャラクターの行動原理、何に一番情熱を燃やすかを明確にするため)
【V子さんの核言葉】:「高貴」「ポンコツ」「食いしん坊」 この3つの言葉が決まったことで、V子さんのキャラクターの「軸」が明確になりました。
次に、V子さんは3つの核言葉を元に、演技の土台となる「話し方シート」を作成しました。
◆ 声のトーン
- 声の高さ: 「高貴」さを出すため、標準〜やや低めを意識する。
- 話す速度: 基本は少しゆっくりと、落ち着いた話し方を心がける。
- 声の強弱: 感情の起伏は穏やかに。ただし、「食いしん坊」な一面が出る時だけは、少し感情豊かになる。
◆ 話し方の雰囲気
- 基本は「高貴」さをベースに、古風で丁寧な言葉遣いをする。
- ただし、現代の常識を知らない「ポンコツ」な部分で、時々ズレたことを真面目に言ってしまう。
- お菓子の話題になると、途端に「食いしん坊」な一面が顔を出し、早口になったり、子供のような言葉遣いになったりする。
この「話し方シート」が完成したことで、V子さんは「普段はどう振る舞い、どこでギャップを見せるか」という、具体的な演技の指針を手に入れました。
最後に、V子さんは「話し方シート」を使い、ありふれた感情を “V子さんだけの言葉” に変える「感情変換チャート」を作成しました。
感情 | V子さんならどう変換する? | V子さんのセリフ例 |
感謝 | (高貴)人間に対して、上から目線で礼を伝える。 | 「ふむ…礼を言うぞ、人間。」 |
嬉しい | (食いしん坊)お菓子をもらった時、高貴さを忘れて大興奮する。 | 「こ、これは…!人間界の『ぽてち』という菓子か!素晴らしいぞ!」 |
悲しい | (高貴/ポンコツ)悲しみを悟られまいと虚勢を張るが、少し声が震えてしまう。 | 「…別に、少し目にゴミが入っただけだ。気にするな」 |
怒り | (食いしん坊/ポンコツ)大切なお菓子を取られた時に怒るが、脅し方が少しズレている。 | 「何やつ!私の『しょーとけーき』を食らうとは…!七代先までプリンを食べられぬ呪いをかけてやるぞ!」 |
謝罪 | (ポンコツ)ドジをした時、元天使のプライドで素直に謝れない。 | 「なっ…!今の計算違いだ。決して私が転んだわけではないぞ!」 |
全てのステップを終えた今、V子さんの手元には、『V子さん専用ルールブック』が完成しました。
【V子さん専用】キャラクター・ルールブック
キャラクター名: V子さん(人間界のお菓子に魅了された、ちょっとドジな元天使)
◆ STEP1:キャラクターの魂(3つの核言葉)
・高貴
・ポンコツ
・食いしん坊
◆ STEP2:声と話し方の基本(話し方シート)
声のトーン
声の高さ: 「高貴」さを出すため、標準〜やや低めを意識する。
話す速度: 基本は少しゆっくりと、落ち着いた話し方を心がける。
声の強弱: 感情の起伏は穏やかに。ただし、「食いしん坊」な一面が出る時だけは、少し感情豊かになる。
話し方の雰囲気
基本は「高貴」さをベースに、古風で丁寧な言葉遣いをする。
ただし、現代の常識を知らない「ポンコツ」な部分で、時々ズレたことを真面目に言ってしまう。
お菓子の話題になると、途端に「食いしん坊」な一面が顔を出し、早口になったり、子供のような言葉遣いになったりする。
◆ STEP3:心の動きを表現する(感情変換チャート)
感情 | V子さんならどう変換する? | V子さんのセリフ例 |
感謝 | (高貴)人間に対して、上から目線で礼を伝える。 | 「ふむ…礼を言うぞ、人間。」 |
嬉しい | (食いしん坊)お菓子をもらった時、高貴さを忘れて大興奮する。 | 「こ、これは…!人間界の『ぽてち』という菓子か!素晴らしいぞ!」 |
悲しい | (高貴/ポンコツ)悲しみを悟られまいと虚勢を張るが、少し声が震えてしまう。 | 「…別に、少し目にゴミが入っただけだ。気にするな」 |
怒り | (食いしん坊/ポンコツ)大切なお菓子を取られた時に怒るが、脅し方が少しズレている。 | 「何やつ!私の『しょーとけーき』を食らうとは…!七代先までプリンを食べられぬ呪いをかけてやるぞ!」 |
謝罪 | (ポンコツ)ドジをした時、元天使のプライドで素直に謝れない。 | 「なっ…!今の計算違いだ。決して私が転んだわけではないぞ!」 |
もう彼女は、カメラの前でフリーズしません。
たとえ、台本に「すごい!」というありきたりなセリフがあったとしても、彼女はもう迷いません。
完成したルールブックを開けば、V子さんならどう言うべきか、という『正解』が書かれているからです。
ルールブックを手に入れたV子さんは、ついに自信を持って、最初のショート動画を投稿することができました。
このケーススタディは、特別な物語ではありません。
この記事をここまで読み進めてきたあなたなら、同じことができるので、ショート動画撮影時に「どんな風にキャラを演じればいいんだろ?」と迷っている方はぜひルールブックの作成を試してみてください。



なんとなく、ルールブックの使い方が分かったわッ!



自分だけのオリジナルルールブックを作成してみてください
まとめ
今回は、キャラクター設定を、ショート動画で自信を持って演じるための、『ルールブック』の作り方を解説しました。
このルールブックは「センス」や「感覚」で片付けられてきたキャラクター表現という曖昧な課題を、誰にでも再現可能な3つのステップに分解することで、あなたの「演じられない」という悩みを解決できるものです。
もう「どう演じればいいんだろう」と、カメラの前でフリーズする必要ありません。
迷った時は、あなただけの『ルールブック』を開いてください。そこには、あなた自身が決めた「正解」が、全て書かれています。
コメント