「VTuberになってみたい!」「3Dモデルを使って、もっとダイナミックな動きで視聴者を驚かせたい!」 そんな風に考えたことはありませんか?
しかし、いざ3Dでの活動を調べてみると「フルトラ」「VRChat」といった聞き慣れない専門用語がたくさん出てきます。
そして、何から手をつければいいのか分からず、結局「自分には無理かも…」と一歩を踏み出せない人も多いはずです。
この記事では、VTuberの3Dモデルの主な動かし方【全3種類】を、必要な機材や費用感を交えながら、初心者にも分かりやすく解説していきます。
それぞれのメリット・デメリットも比較するので、あなたの目的や予算に合った最適な種類を見つける為の参考にしてみてください。
VTuberの2Dと3Dモデルの大きな違い

3Dモデルでの活動を考える前に、まずは2Dモデルとの基本的な違いを理解しておくと、そのメリットがより明確になります。
結論として、3Dモデルにすることで、VTuberとしての活動の可能性は劇的に広がります。
なぜなら、2Dが平面的なイラストを基にするのに対し、3Dは立体的なオブジェクトとして作られているという、根本的な「次元」の違いがあるからです。
例えば、2Dモデルはイラストを左右に揺らす動きが中心ですが、3Dモデルは体を捻ったり一回転したりと、まるでその場にいるかのようなリアルなアクションをどの角度からでも表現できます。
「でも、3Dモデルって全身を動かす専門的な機材が必要で、すごく大変そう…」 もしかしたら、そう感じた人もいるかもしれません。
ご安心ください。一言で「3Dモデル」と言っても、その動かし方には手軽なWebカメラ方式から本格的なフルボディトラッキングまで、様々な種類があります。
3Dモデルの種類については後で詳しく紹介しますが、まずは3D化によって具体的にどのようなメリットが生まれるのか、特に重要な以下の2つのポイントを説明していきます。
- 表現力
- 没入感
それぞれ2Dモデルとどのように違うのか、詳しく見ていきましょう。

そんなに違うものなの?



2Dと3Dでは全然違いますよ
当サイトでは、Vtuberのなり方についても紹介していますので、興味がある方は参照してみてください。


表現力の違い:全身を使ったダイナミックな動きが可能に


3Dモデルは2Dモデルの「動きの制約」からあなたを解放し、表現の幅を飛躍的に広げます。
なぜなら、2Dモデルが「一枚のイラスト」を元に変形させて動きを表現するのに対し、3Dモデルは手足や胴体といったパーツを持つ「仮想の身体」そのものだからです。
これにより、体をひねる、振り返る、手足を伸ばすといった、人間らしい立体的なアクションが可能になります。
例えば、ホラーゲームで本当に怖がってのけぞる様子や、達成感からガッツポーズをする姿をリアルに届けられます。
歌ってみた動画でアイドルのようなキレのあるダンスを披露したり、視聴者とのお絵描き配信で身振り手振りを交えて盛り上げたりと、全身を使ったコミュニケーションが生まれるんですよね。
このように、3Dモデルがもたらす豊かな表現力は、あなたの個性をより深く視聴者に伝え、ファンとの絆を強めるための強力なツールとなるでしょう。



立体的な動きが出来るのは3Dならではねッ!
没入感の違い:メタバースなど仮想空間での活動も


3Dモデルは単なる「配信画面」を越えて、あなた自身が「仮想世界の住人」となる体験を視聴者と共有できます。
なぜなら、2Dモデルが「背景の上にキャラクターの絵を重ねている」状態なのに対し、3Dモデルは「作られた世界の中にキャラクター自身が存在している」からです。
これにより、配信者はただの演者ではなく、その世界の案内人にもなれるんですよね。
例えば、3Dで作られた自分の部屋でカメラを動かしてルームツアーをしたり、メタバース空間にファンを招いて一緒にゲームやイベントを楽しんだりすることが可能になります。
視聴者は、まるであなたが隣にいるかのような感覚で、その世界観に深く没入できます。
このように、3Dモデルがもたらす高い没入感は、単なる「お客様(視聴者)」から「世界の同行者(仲間)」へと変え、より強固なコミュニティを築くための鍵となるでしょう。



ファンはVRゴーグルでメタバースの世界に入ったら、推し(3Dモデル)を目の前で感じられますねッ!
【目的別】VTuber 3Dモデルの動かし方は主に3種類


3Dモデルの動かし方は一つではなく、あなたの目的や予算に応じて選べる3つの主要な方法があります。
どの方法を選ぶかによって、必要な機材や費用、そして実現できる表現が大きく異なってきます。
「3Dを始めたい」と思っても、この違いを理解しないままでは、自分に合わない機材を買ってしまうなど、遠回りになりかねません。
具体的には、以下の3つの種類に分けられます。
- 【種類①】WebカメラだけでOK!最も手軽な方法
- 【種類②】メタバースで交流!VRChatで活動する方法
- 【種類③】全身で表現!フルボディトラッキングで本格的に活動する方法
これから、それぞれの方法について詳しく解説していきますので、ご自身の活動スタイルを想像しながら、最適な選択肢を見つけていきましょう。



へ~、3Dモデルでも色々な種類があるのね



ジックリ見ていきましょう
「もしかして、全部やるには3体のモデルが必要なの?」と思うかもしれませんが、その心配は無用です。
現代の個人VTuberの基本は、まず汎用性の高い「VRM形式」の3Dモデルを1体用意することから始まります。このVRMモデルは、様々な用途に使い回すことができます。
ただし、ここで非常に重要な注意点があります。
それは、あなたの大切な3Dモデルが、「Humanoid(ヒューマノイド)形式」という共通ルールに沿って作られているか、という点です。
Humanoid形式とは?
一言でいうと、3Dモデルを動かすための「骨格」そのものです。イメージとしては、ゲームやアニメの敵キャラとして出てくるガイコツを想像していただくと、より分かりやすいかもしれません。
普段、私たちが見ている3Dモデルは、まさにこの「骨格(ガイコツ)」の上に、キャラクターの見た目という服を着せた状態です。
Webカメラやトラッカー(センサー)があなたの動きを読み取り、実際に動かしているのは、内側にあるこの骨格(ガイコツ)の方です。
そしてHumanoid形式とは、Unityなどのコンピューターが、この骨格(ガイコツ)を「これは人間だ!」と正しく認識するための共通ルールになります。
このルールに沿って作られた3Dモデルではないと、特に全身を動かすフルボディトラッキングで、アバターが正しく動かない原因になるので注意してください。
本当はもっと複雑な仕組みですが、活動者側としては「Humanoid = 人型の骨格の共通ルール」というくらいの認識で全く問題ありません。
幸い、ほとんどのVRMモデルは、このHumanoid形式に沿って作られています。 しかし、万が一のトラブルを避けるため、クリエイターにモデル制作を依頼する際は、保険として以下の一言を添えるのがおすすめです。
「将来的にフルボディトラッキングでの使用も考えているため、骨格はHumanoid形式でお願いします。」
この一言で、あなたの3D VTuber活動はより安全なものになります。
そして、この「1体のHumanoid対応VRMモデル」をどう動かしていくのか、というのがこの記事のテーマです。
【種類①】WebカメラだけでOK!最も手軽な3Dモデルの動かし方


3D VTuberは「高価で難しい」というイメージを覆す、最も手軽で安価な方法がWebカメラ方式です。
なぜなら、ダンスに必要なフルボディトラッキング機器や、メタバースで使うVRゴーグルといった特別な機材は一切不要だからです。
あなたが普段使っているPCとWebカメラ、そして無料のソフトを組み合わせるだけで、今すぐにでも3Dの身体を手に入れることができます。
ここでは、このWebカメラ方式を始めるにあたって、特に知りたいであろう以下の3つのポイントに絞って解説します。
- 必要なもの(費用感)
- メリット・デメリット
- こんな人におすすめ!
これらの情報を確認すれば、「自分にもできるかも!」と、3D VTuberへの第一歩がより具体的に見えてくるはずです。



もっとも手軽に3Dモデルを動かす方法ですね



個人勢ならwebカメラ方式をまず試してみるといいわねッ!
必要なもの(費用感)
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Webカメラ方式の最大の魅力は、追加費用をほとんどかけずに始められる手軽さにあります。
なぜなら、VRゴーグルや専用センサーといった高価な機材は一切不要で、多くの場合、あなたが今持っている機材をそのまま流用できるからです。
無料のソフトも充実しているため、初期投資を極限まで抑えることが可能となっています。
具体的に必要となるのは、主に以下の4点です。
PC
普段からPCゲームを遊んでいるようなゲーミングPCがあれば、まず間違いなく快適に動作します。
Webカメラ
高価なものである必要はなく、数千円で購入できる一般的な外付けカメラで十分です。
トラッキングソフト
モデルを動かすためのソフトも、無料で高機能な「VSeeFace」などが広く使われており、安心して始められます。
3Dモデル(あなたのアバター)
最後に、あなた自身の分身となる3Dモデルが必要です。ここが唯一、費用がかかる可能性がある部分ですが、ご安心ください。様々な選択肢があります。
- 無料で始める方法
VRoid Studioという無料ソフトを使えば、専門知識がなくても、髪型や服装を選ぶだけで簡単にオリジナルの3Dモデルを自作できます。まずはここから試すのがおすすめです。 - クオリティを求める方法(有料)
より個性やクオリティを求めるなら、プロのクリエイターに依頼するのが一般的です。依頼先やクオリティによって価格は大きく変わりますが、5万円~30万円程度が相場となっています。
また、「BOOTH」や「nizima」といったサイトでは、クリエイターが制作したモデルが数千円~数万円で販売されていたり、あるいは無料で配布されているパターンもあるので、気に入った子をすぐにお迎えすることも可能です。
このように、Webカメラ方式では3Dモデルの費用も無料から選択できるため、既に2DモデルでVtuber活動をしている人の場合は、追加の機材投資は0円からでもスタートできるのが最大の強みです。
まずは無料の方法で試してみて、そこから必要に応じてステップアップを考えるのが良いでしょう。



値段があまり掛からないのが良いわねッ!
より詳しく、必要な機材について知りたい方は以下記事も参考にしてみてください。


メリット・デメリット


Webカメラ方式は「圧倒的な手軽さ」という最大のメリットと、「表現の幅が限定される」という明確なデメリットを持っています。
これは、特別な機材を一切使わずに始められるシンプルさが、そのまま動きの制約に繋がっているからです。具体的に、それぞれの側面を詳しく見ていきましょう。
最大の利点は、金銭的・技術的なハードルが極めて低いことです。
高価な機材を新たに購入する必要がなく、専門的な知識もほとんど不要なため、「3Dを試してみたい」と思ったその日にでも挑戦できます。
失敗するリスクがほとんどないため、3D VTuberへの入門としてこれ以上ないほど優れた方法です。
このように、Webカメラ方式は「3D VTuberへの入門」として、これ以上ないほど優れた方法です。
まずはこの方法で3Dの世界に触れ、もし将来的にダンスなどの全身表現がしたくなった時に、フルトラッキングなど次のステップを検討するのが最も賢明な道筋と言えるでしょう。



デメリットと言っても2Dモデルと比べたら比較にならないくらい多彩に動けます
こんな人におすすめ!


この方法は「3Dの世界に興味はあるけれど、大きなリスクは負いたくない」と考えているすべての方におすすめです。
なぜなら、活動のメインが上半身の動きで完結しており、かつ初期投資を最小限に抑えたいというニーズに完璧に応えるからです。
具体的には、以下のような方にぴったりだと言えます。
- 雑談やゲーム実況など、座って行う配信が中心の方
- VTuber未経験者で、まずは費用をかけずに3Dの世界を体験してみたい方
- 現在2Dで活動しており、より手軽に表現の幅を広げたいと考えている方
もしあなたがこれらのいずれかに当てはまるなら、Webカメラ方式は3D VTuberへの最も安全で賢明な「最初の扉」となるでしょう。



2Dモデルから一歩先に進みたい人向けって感じねッ!
【種類②】メタバースで交流!VRChatでのアバターの動かし方


メタバース方式は単なる「配信」の枠を越え、ファンや他の配信者と「同じ空間で交流する」という全く新しい体験を可能にします。
なぜなら、「VRChat」に代表されるメタバースは、世界中の人々がアバターの姿で集まる巨大な仮想空間だからです。
あなたは自分の3Dモデルをアバターとしてその世界に「ダイブ」し、まるで現実世界のように他の人々と隣に並んで話したり、イベントに参加したりできます。
この新しい活動スタイルを始めるために、具体的に何が必要で、どんなメリット・デメリットがあるのか、以下の3つのポイントを詳しく解説していきます。
- 必要なもの(費用感)
- メリット・デメリット
- こんな人におすすめ!
これらの情報を知ることで、Webカメラ方式とは全く異なるメタバースでの活動が、あなたのVTuberライフをどれだけ豊かにする可能性があるか、具体的にイメージできるようになるでしょう。



メタバースの世界に私も入れるのね



ファンとの交流をより深くできます
必要なもの(費用感)
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メタバースでの活動はWebカメラ方式に比べ、PCスペックや機材への投資がより重要になります。
なぜなら、美しい3D空間と、そこに集まる大勢のアバターを同時に滑らかに表示するには、PCに高いグラフィック処理能力が求められるからです。
スペックが不足していると、画面がカクカクしてしまい、快適な交流が難しくなります。
具体的に必要となるのは、主に以下の3点です。
高スペックなPC
ゲーミングPCがほぼ必須と考えてよいでしょう。
特に、グラフィックボード(グラボ)の性能が重要で、VTuberに人気のVRChatなどを快適に楽しむには、一定のスペックが推奨されます。
VRゴーグルとコントローラー(推奨)
没入感を最大限に楽しむならVRゴーグルと、両手に持つ専用のVRコントローラーがおすすめです。
VTuber界隈で人気の機種で言うと、Meta社の「Quest」シリーズが代表的で、価格はモデルによりますが約5万円~8万円程度で購入できます。(この価格には通常、コントローラーも含まれています)
しかし、ご安心ください。VRゴーグルがなくても「デスクトップモード」なら、PCの画面とキーボード・マウスだけで参加することも可能です。
3Dモデル
あなたのアバターとなる3Dモデルも必要ですが、Webカメラ方式で使えたモデルをVRChat用にセットアップし直す必要があります。
この作業はご自身でも学習して可能ですが、難しい場合はクリエイターに数千円から依頼することもできます。
このように、VRゴーグルを購入する場合は合計で10万円以上の投資が必要になることもありますが、デスクトップモードならPCの性能次第で追加費用を抑えることもできます。
Webカメラ方式よりもハードルは上がりますが、それに見合うだけの新しい体験が待っていると言えるでしょう。



VRゴーグルを購入すると考えると結構高いわね
Webカメラ方式ではVRMファイルをそのまま使えましたが、VRChatではひと手間必要になる、と聞いて「難しそう…」と感じたかもしれません。
VRChatは独自の機能が多いため、あなたのアバターを最適化するための「セットアップ作業」が必須となります。
これには、Unityをインストールしたり、ファイルを指定のフォルダに入れたりといった基本的なPC操作の知識が必要ですが、プログラミングのような専門スキルは不要です。
多くの個人VTuberが自分自身で通ってきた道であり、個人で問題なく対応できる範囲なので、安心してください。
大まかな流れは以下の通りです。
- ツールを準備する
PCにゲーム開発ソフト「Unity」と、VRChat専用ツール(SDK)、VRMを変換するツールを導入します。 - Unityにモデルを読み込む
Unityを起動し、あなたのVRMモデルをインポートします。 - VRChat用に変換・設定する
ツールを使ってモデルをVRChat用に変換し、表情や揺れものなどの設定を調整します。 - VRChatへアップロードする
最後に、Unityの中からあなたのVRChatアカウントへアバターをアップロードすれば完了です。
この手順を解説した分かりやすい動画やブログ記事は、「VRM VRChat 変換」などで検索すればたくさん見つかります。
最初は少し時間が必要ですが、一度覚えてしまえばVTuberとしての大きなスキルになりますので、ぜひ挑戦してみてください。
より詳しく、必要な機材について知りたい方は以下記事も参考にしてみてください。


メリット・デメリット


メタバース方式は「活動の可能性が無限に広がる」という強力なメリットと、「技術的なハードルが高い」というデメリットを併せ持ちます。
これは、仮想空間というプラットフォームを利用することで、現実の制約を超えた交流が可能になる一方、そのための準備に時間と知識が求められるためです。
具体的に、それぞれの側面を見ていきましょう。
最大の利点は、他のユーザーとのリアルタイムな交流から、全く新しいコンテンツが生まれることです。
例えば、ファンを招待して仮想空間で交流イベントを開いたり、他のVTuberと隣に並んでコラボ配信をしたりと、Webカメラ方式では不可能だった企画が実現できます。
視聴者との距離が縮まり、コミュニティの熱量を大きく高めることができるでしょう。
このように、メタバースでの活動は、Webカメラ方式よりも準備は大変ですが、それを乗り越えた先にはVTuberとして大きく成長できるチャンスが眠っています。



準備は大変と感じる人もいるかもしれませんが、個人でも対応可能な範囲です
こんな人におすすめ!


この方法は「ファンや他のVTuberともっと深く繋がりたい」と考える、コミュニケーション意欲の高い方におすすめです。
なぜなら、メタバースは、単独での配信だけでなく、他者との関わりの中でこそ真価を発揮するプラットフォームだからです。
具体的には、以下のような方にぴったりの選択肢と言えるでしょう。
- ファン参加型のイベント(交流会、ゲーム大会など)を主催してみたい方
- 他のVTuberと仮想空間でコラボし、配信を盛り上げたい方
- 自分の世界観を表現したワールド(仮想空間)を作り、ファンを招待したいクリエイティブな方
もしあなたが、単に配信するだけでなく、視聴者や仲間と共に物語を創り上げていきたいと考えるなら、メタバースはあなたにとって最高の舞台となるはずです。



私のイメージする世界観を全面に出した空間を作ってみたいわね…
【種類③】全身で表現!フルボディトラッキングでの本格的な動かし方


「フルトラッキング/フルトラ」などの愛称で知られるこの方法は、あなたの動きそのものをアバターに同期させ、表現力の限界を突破するための究極の動かし方です。
なぜなら、頭や腰、手足に専用のセンサーを取り付けることで、現実のあなたの全身の動きを、ほぼリアルタイムで仮想空間のアバターに反映させる技術だからです。
これにより、Webカメラ方式やメタバースでの基本操作とは一線を画す、自由自在なパフォーマンスが実現します。
多くの大手VTuberがライブや記念配信で採用するこの本格的な方法について、最も気になるであろう以下の3つのポイントに絞って、詳しく見ていきましょう。
- 必要なもの(費用感)
- メリット・デメリット
- こんな人におすすめ!
この動かし方を理解すれば、3D VTuberが持つ表現の可能性を知ることができ、あなたの将来の目標設定にもきっと役立つはずです。



みんながイメージする3Dモデルはこの方式が多いかもね



この方式が実現できたら周りのVtuberとの差別化に繋がりますね
「フルボディトラッキング」と聞くと、自分の動きが寸分違わず、完全にアバターと同期する未来的な技術をイメージするかもしれません。
たしかに技術は日々進んでいますが、特に個人が導入できる数万円クラスの機材と、大手事務所が使う数千万円クラスのスタジオ設備とでは、精度に大きな差があるのが現状です。
個人向け機材では、センサーの位置が少しずつズレていったり、電子機器からの干渉で動きが飛んだりすることが、どうしても発生し得ます。
もちろん、それでもWebカメラ方式などとは比べ物にならないほど自由な表現が可能です。
ただ、「完璧に思い通りに動く」というよりは、「多少のクセを乗りこなしながらパフォーマンスする」という心構えでいると、理想と現実のギャップに悩まずに済むと思います。
必要なもの(費用感)
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フルボディトラッキングは3つの方法の中で最も高価な機材投資を必要とする、プロフェッショナルな選択肢です。
なぜなら、あなたの身体の動きを忠実にアバターへ反映させるという、極めて高度な技術を実現するために、それぞれの部位に対応した専用のセンサーシステムが必須となるからです。
WebカメラやVRゴーグルだけでは捉えきれない、全身の滑らかな動きを可能にします。
具体的に必要となるのは、主に以下の3点です。
高スペックなPC
他の方式と同様、高い処理能力を持つゲーミングPCが基本となります。
フルボディトラッキング機器
これが最も大きな投資部分です。
比較的安価で手軽なソニーの「mocopi(モコピ)」(約5万円)や、PC接続で安定感のあるShiftallの「HaritoraX(ハリトラックス)」のような個人向けデバイスから、より高精度なプロ向け機器まで多くの種類があります。
また、フルボディトラッキングには、VRゴーグルやVRコントローラーも必要です。
3Dモデル
あなたの分身となるアバターももちろん必要です。
このように、フルトラ環境を整えるには、PCとは別に最低でも5万円以上、本格的に揃えれば数十万円の費用がかかります。
まさに「究極の動かし方」にふさわしい投資と言えますが、まずはWebカメラ方式から始め、将来的な目標として見据えるのが現実的でしょう。



た、高いわね…
メリット・デメリット


フルボディトラッキングは「表現力」という比類なきメリットと、「コスト・手間・環境」という三重の大きなデメリットが存在します。
これは、プロレベルのパフォーマンスを可能にするための専門機材が、そのまま金銭的・技術的な高いハードルに直結しています。
具体的に、それぞれの側面を詳しく見ていきましょう。
最大の利点は、あなたの身体能力のすべてをパフォーマンスに活かせることです。
もはやあなたは、コントローラーやソフトの制約を受けることはありません。あなた自身の動きが、そのままアバターの動きとなります。
例えば、キレのあるダンスを踊ったり、本格的なフィットネス配信を行ったり、コントのようなコミカルな動きで視聴者を笑わせたりと、あなたの持つ個性すべてを表現できるようになります。
このように、フルボディトラッキングはVTuberとしての表現を極めるための最終兵器ですが、その力を手にするには相応の覚悟と投資が必要です。
多くの人がWebカメラ方式から始めるのは、この大きなハードルがあるためだと理解しておくと良いでしょう。



ダンスなど身体の表現をファンに伝えたいVtuber向けですね
こんな人におすすめ!


結論として、フルボディトラッキングは「自身の身体表現そのものをコンテンツにしたい」と考える、本気で上を目指す方におすすめします。
なぜなら、フルボディトラッキングは他の方法とは比較にならないほどの高い表現力を提供する一方で、相応の金銭的・時間的投資を要求されるからです。
そのため、「なんとなく3Dをやりたい」という気持ちだけでは、そのコストに見合う価値を得るのは難しいかもしれません。
具体的には、以下のような明確な目標を持つ方に最適な選択肢と言えるでしょう。
- VシンガーやVアイドルとして、歌とダンスでファンを魅了したい方
- フィットネスや運動系の配信で、説得力のある動きを見せたい方
- 体を使ったコントや演劇など、独自のパフォーマンスで唯一無二の存在を目指す方
- 普段は座っての配信がメインでも、記念日など特別な日に最高のライブをファンに届けたい方
このように、フルボディトラッキングは単なる機能ではなく、あなたのVTuberとしての活動スタイルそのものを決める、重要な選択です。
もしあなたが身体表現を自らの武器にしたいと考えるなら、それは最強のパートナーとなります。



大手事務所のVtuberさん達みたいな記念配信してみたいわッ!
結局どれがいいの?あなたに合ったVTuber 3Dモデルの動かし方 診断


ここまでの情報で「結局、自分はどれを選べばいいの?」と迷っているあなたのために、最適な方法を見つけるための最終診断を始めましょう。
なぜなら、最適な選択は人それぞれであり、情報を客観的に見比べる「比較」と、あなたの目的に寄り添う「提案」という、2つの視点から検討することが最も効果的だからです。
ここでは、そのための具体的なツールとして、以下の2つの診断パートを用意しました。
- 3つの方法を一覧表で徹底比較!
- 【目的別】あなたへのおすすめチャート
この2つのステップを踏めば、あなたが今、そして将来的にどの道を選ぶべきかが明確になるはずなので、ぜひ参考にしてみてください。



3Dと言っても種類が色々あって悩むから助かるわッ!



自分の活動スタイルに最適なものを選んでみましょう
3つの方法を一覧表で徹底比較!(費用・手軽さ・表現力)


まずは、これまで紹介した3つの方法がどう違うのか、ひと目で分かるように表で比較してみましょう。
費用や手軽さ、表現力といった重要なポイントを並べて比べることで、それぞれの方法の得意・不得意が明確になります。
この表を見れば、漠然としていた各方法のイメージが、より具体的な選択肢として見えてくるはずです。
項目 | ①Webカメラ | ②メタバース(VR) | ③フルトラッキング |
費用 | (安い) | (中間) | (高い) |
手軽さ | (簡単) | (難しい) | (難しい) |
表現力 | (上半身のみ) | (全身) | (全身+高精度) |
PCスペック | (中間) | (高い) | (高い) |
おすすめ活動 | 雑談・ゲーム | 交流・イベント | ダンス・ライブ |
【目的別】あなたへのおすすめチャート


客観的な比較の次は、あなたの「やりたいこと」を軸に、具体的な活動スタイルを診断していきましょう。
なぜなら、どんなに素晴らしい機材でも、あなたの活動目的と合っていなければ宝の持ち腐れになってしまうからです。あなたのVTuberとしての夢や目標こそが、最適な方法を選ぶための最も重要なコンパスとなります。
ここでは、多くのVTuber準備者が抱くであろう、代表的な3つの目的別に最適な方法を提案します。
- とにかく手軽に安く始めたいなら
- ファンとの交流がしたいなら
- 歌やダンスを全世界に届けたいなら
ご自身の活動プランにぴったりの選択肢を見つけてください。



自分にはどのパターンが合っているか確認してみるわッ!



自分の活動スタイルをシッカリと決めておく事が重要です
自分の活動スタイルについて、まだ決めていない人は以下記事も参考にしてみてください。


とにかく手軽に安く始めたいなら


もしあなたが「3Dに興味はあるけど、いきなり大きな投資をするのは怖い…」と感じているなら、選ぶべき道は “①Webカメラ方式” で間違いありません。
なぜなら、この方法が唯一、金銭的・技術的なリスクをほぼゼロにしたまま3Dの世界を体験できる選択肢だからです。
失敗を恐れることなく、「3Dの自分が視聴者にどう映るか」「3Dでどんな配信がしたいか」を、実際の活動を通して見極めることができます。
例えば、まずはVRoid Studioで無料のモデルを作り、手持ちのPCとWebカメラ、そして無料ソフトのVSeeFaceを使って、試しに一度だけ3Dで配信してみるのは有効な手段です。
この「お試し配信」で、あなたは自分自身と視聴者の反応を確かめられます。
このように、Webカメラ方式は3D VTuberへの最も安全で賢明なスタートラインです。
この最初の一歩で得た経験こそが、将来メタバースやフルボディトラッキングへ進むべきかどうかを決める、最高の判断材料となるでしょう。



自身の活動スタイルにどの3Dが合っているか分からない人は、まずwebカメラ方式がいいわねッ!
ファンとの交流がしたいなら


ゲーム配信とファンとの交流を両立したいなら、「①Webカメラ方式」と「②メタバース方式」を使い分けるハイブリッド戦略が最も効果的です。
なぜなら、それぞれの方法には得意なことと不得意なことがあるからです。
日常的な配信の手軽さはWebカメラ方式が、そして特別な体験の提供はメタバース方式が優れています。両方の良いところを組み合わせることで、効率的かつ魅力的な活動が実現します。
例えば、普段の活動フェーズでは、PCへの負荷が軽いWebカメラ方式で、毎日コツコツとゲーム配信を行いファンを増やします。
そして、特別なイベントフェーズとして、週末や記念日にメタバース(VRChat)でファン参加型のゲーム大会や交流会を開催するなどですね。
ファンは「いつも画面の向こうにいた、あの人と隣で話せる!」という非日常的な体験に、より強い絆を感じてくれるでしょう。
このように、2つの方法を賢く使い分けることは、あなたのVTuber活動にメリハリを生み、コミュニティを熱狂させるための最強の戦術となります。
日常と非日常を演出し、ファンを飽きさせない魅力的なチャンネルを育てていきましょう。



ファン交流を強化したい人はメタバース方式も視野に入れてください
歌やダンスを全世界に届けたいなら


歌やダンスといった「身体表現」をあなたの活動の主軸に据えたいと本気で考えるなら、選択肢は「③フルボディトラッキング」以外にありません。
なぜなら、アーティストのパフォーマンスとは、歌声だけでなく、指先の繊細な表現、ステップの力強さ、体全体のシルエットといった、全身から放たれる情報すべてで構成される芸術だからです。
WebカメラやVRゴーグルだけでは、その魅力を100%伝えることは決してできません。
例えば、憧れのアイドルのようにキレのあるダンスを踊る「踊ってみた動画」を投稿したり、ライブ配信で感情を込めて熱唱しながら、その歌の世界観を全身で表現したりできます。
また、必ずしもプロのアーティストを目指す人だけのものではありません。
「年に一度の誕生日や記念日に、最高のパフォーマンスをファンに届けたい」という目的で導入する方も大勢います。
普段はWebカメラ方式で配信している方が、特別な日にだけフルボディトラッキングでライブを行う。そのギャップは、視聴者にとって忘れられない、最高の贈り物になるはずです。
このように、フルボディトラッキングは単なる高価な機材ではなく、あなたの夢を本気で叶えるための「未来への投資」と言えるでしょう。
本格的なアーティストを目指す方はもちろん、ファンへの感謝を最高の形で届けたいと考える全ての方にとって、それは最高のパートナーです。



誕生日配信でファンに3Dライブ配信を届けたいわね
【実践編】VTuber「V子」に学ぶ!3Dモデル活用ロードマップ


ここまでの解説で、3Dモデルを動かす3つの方法について、その違いや特徴を理解したかと思います。
「でも、実際に自分はどのタイミングで、どれを使えばいいの?」そんな疑問に答えるため、ここからは一人の新人VTuber「V子(ぶいこ)」が3Dの世界で成長していく物語を、ケーススタディとしてご紹介します。
彼女の歩みは、きっとあなたの未来のロードマップになるはずです。
半年間2Dで活動してきたV子は、3D化への最初のステップとして、最も低リスクな「Webカメラ方式」を選択しました。
なぜなら、彼女は2Dでの活動に表現の限界を感じつつも、「いきなり高価な機材を揃えて失敗したらどうしよう…」という、多くの人が抱える不安を持っていたからです。
Webカメラ方式なら、まずは今ある配信環境をほぼ変えずに3Dを試すことができます。
そこで彼女は、活動で得た収益を使い、プロのクリエイターにオリジナルのVRMモデルを発注。完成したこだわりの3Dモデルを、手持ちのゲーミングPCとWebカメラ、そして無料ソフト「VSeeFace」に接続しました。
これにより、2D時代からのファンを「V子が立体的に動いてる…!」と驚かせつつ、新しい視聴者を惹きつけることに成功します。
このように、V子は「3Dモデルはプロに依頼」しつつも、「動かす方法は最も手軽なものを選ぶ」という賢明な判断を下しました。
これが、彼女が3D VTuberとしてスムーズなスタートを切れた最大の理由です。
次に、チャンネル登録者1万人達成を記念して、V子はファンとの絆をさらに深めるため「メタバース方式」の導入を決意します。
その理由は、いつも応援してくれるファンに対して、「画面の向こう側」から飛び出し、もっと直接的で特別な感謝を伝えたかったからです。
チャンネルも順調に成長し、新たな投資の準備ができた彼女は、VRゴーグル(Meta Quest 3)を購入。そして、すでに持っているこだわりのVRMモデルを、解説記事を読みながら自分でVRChat用にセットアップしました。
記念配信では、ファンをVRChatの特設ワールドに招待し、一緒にゲームをしたり、記念撮影をしたりと、忘れられない時間を共有します。
この企画は大成功を収め、視聴者は「V子ちゃんと本当に会って話せた!」という特別な体験に熱狂。V子とファンのコミュニティは、より一層強固なものになりました。
そして活動1周年、V子はついに「フルボディトラッキング」の導入を決意します。その目的は、年に一度の記念配信で、ファンに忘れられない「立体的なライブ」を届けることでした。
なぜなら、これまでのWebカメラ方式では表現できなかった全身を使ったパフォーマンスこそが、日頃の感謝を伝える最高のプレゼントになると考えたからです。
歌に合わせて体を揺らしたり、感謝の気持ちを込めて深くお辞儀をしたり、そうした動きの一つ一つが、言葉以上に気持ちを伝えます。
V子は、PCに接続するタイプのフルボディトラッキング機器「HaritoraX」を導入。記念日に向けて、ファンに人気の曲の振り付けを一生懸命練習しました。
当日のライブ配信では、彼女の滑らかな動きと感情豊かなパフォーマンスに、コメント欄は「V子すごい!」「感動をありがとう!」といった賞賛の声で埋め尽くされ、配信は大成功を収めます。
このように、フルボディトラッキングはプロのアーティストだけのものではありません。ファンへの感謝を最高の形で表現したい、という強い想いを叶えるための強力なツールでもあるのです。
V子の物語の出発点が、2Dでの活動と、そこから生まれた1体のVRMモデルであったことを忘れないでください。
彼女は、その1体のモデルを手に、「①Webカメラ方式」で3Dの世界に足を踏み入れ、「②メタバース方式」でファンとの絆を育み、「③フルボディトラッキング」で大きな夢を叶えました。
このように、最初から全てを揃える必要はありません。あなたの活動の成長段階と目的に合わせて、3つの方法を賢く使い分けることこそが、3D VTuberとして成功するための最も確かな道筋です。



凄い3Dモデルのイメージができたわッ!



自分の配信スタイルなどで使い分けしてみてください
まとめ
結論として、3D VTuberへの道は一つではなく、あなた自身が未来の目的に合わせて自由に選べるものです。
なぜなら、この記事を通して、あなたは3つの主要な動かし方の違いを理解したからです。
かつては「フルボディトラッキング」「VRChat」といった専門用語の壁に悩んでいたかもしれませんが、今ではそれぞれのメリットとデメリット、そして必要なものを把握しています。
例えば、あなたが今すぐできる最も賢明な第一歩は、Webカメラ方式で「お試し配信」をしてみることです。
そこで得た経験と自信が、将来ファンとメタバースで交流したり、本格的なパフォーマンスに挑戦したりするための、最高の羅針盤(コンパス)となります。
もう技術的な不安に足踏みする必要はありません。まずは最も手軽な方法で3Dの世界の扉を開けてみてください。
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