「憧れの声優と同じ業界で働きたい。でも、自分が演者になるのは難しいかもしれない…」 進路に悩む中で、そんな風に感じていませんか?
声優という夢を追いかけることは素晴らしいですが、その輝く舞台を裏側から支える「声優に関わる仕事」も、同じくらい魅力的でやりがいに満ちた世界です。
この記事では、「声優をサポートする仕事に就きたい」と考えるあなたのために、具体的な仕事内容からリアルな給与事情、そして未経験から目指す方法まで、一歩踏み出すために必要な情報を徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたの「好き」を仕事にするための、具体的な道筋がきっと見つかるはずなので、参考にしてみてください。
声優に関わる仕事とは?まずは全体像を知ろう

声優に関わる仕事は、アニメやゲームといった作品を「作る」役割と、声優個人の活動を「支える」役割に大きく分けられます。
なぜなら、声優の仕事はアニメのアフレコだけに留まらず、以下のように非常に多岐にわたるからです。
- ゲーム
- 洋画の吹き替え
- ナレーション
- ラジオ
- イベント出演

声優さんって色々な仕事をしているのね
それぞれの現場で、専門的なスキルを持ったスタッフが声優のパフォーマンスを最大限に引き出すために働いています。
例えば、アニメ作品を「作る」現場には、演技指導をする音響監督や、作品全体の責任者であるアニメ監督がいます。
一方で、声優の活動そのものを「支える」仕事としては、二人三脚でスケジュールを管理し、仕事を獲得してくる声優マネージャーが不可欠な存在。
このように、多様な専門職が連携することで、初めて声優は輝くことができるのです。
したがって、あなたがどの分野で「声優と一緒に仕事をしたい」のかを考えることが、キャリアを選択する上での第一歩になります。
まずは、どんな仕事があるのか、その全体像を把握することから始めましょう。



まずは、どんな仕事があるか把握する所からですね
声優さんには、どんな仕事があるか気になる方は、併せて以下記事も参考にしてみてください。↓


声優に関わる仕事7選!


日本のサブカルチャーであるアニメは、今や世界でも大人気コンテンツとなっています。
そして、日本では年々アニメに対する認知が広がってきており、それに伴い声優になりたいと考える人が増えました。
また、中には声優さんが好きで、声優をサポートする仕事に就きたいと思う人も沢山います。
しかし、声優と関わる仕事といっても、実際にどんな仕事があるか分からない人も多いのではないでしょうか。
声優と関わる職種は様々ですし、年収も様々です。
そこで、下記では声優と関わる仕事7つの職種(仕事内容)と給与事情について紹介していきます。
- 声優マネージャー
- アニメ監督
- 音響監督
- 声優雑誌編集者
- ラジオ関係
- 振付師
- ボイストレーナ
それぞれ説明していきますので参考にしてみてください。



どんな仕事があるか楽しみねッ!



自分が興味ある仕事を見つけてみてください
また、声優だけではなく声を使用した仕事について興味がある人は以下記事も参考にしてみてください。


声優マネージャー


仕事内容
声優が仕事をしやすいように、さまざまなサポートをするのが仕事。スケジュール管理や営業、現場への同伴、メディア管理など声優を徹底的に補佐する。
また、声優プロダクションに勤務する場合、10人以上の声優を担当するケースもある。
声優をサポートする仕事の中でも、声優マネージャーは声優の才能を二人三脚で支え、成功へと導く最も重要なパートナーと言える職業です。
なぜなら、スケジュール調整から制作会社への営業、現場でのサポートまで、声優の活動に関わるすべてを管理し、活躍の場をゼロから創り出す役割を担っているからになります。
担当声優が輝くかどうかが、あなた自身の腕にかかっています。
では、具体的にどのような仕事で、どれくらいの収入が見込め、どうすればなれるのでしょうか。
【仕事内容】声優の活動をトータルプロデュース
声優マネージャーの業務は多岐にわたりますが、主に以下の3つが中心となります。
- スケジュール管理: アニメの収録、イベント出演、取材など、分刻みのスケジュールを調整・管理します。
- 営業・交渉: マネージャーの最重要業務です。担当声優の魅力や実力をアニメ・ゲームの制作会社などに売り込み、オーディションの機会を獲得します。新人声優の場合は仕事が待っているだけでは来ないため、あなたの営業力が声優の未来を切り拓くといっても過言ではありません。
- 現場への同行・サポート: 収録やイベントの現場に同行し、声優が最高のパフォーマンスを発揮できるよう精神的なケアも含めてサポートを行います。ときには送迎を担当したり、SNSの更新内容を一緒に考えたりすることもあるでしょう。
一人で複数の声優を担当することも多く、マルチタスク能力と、声優やクライアントと円滑な関係を築く高いコミュニケーション能力が求められます。



10人以上の声優を担当するケースもあるみたいです
【年収】経験と実績で変化
公開された統計はありませんが、求人情報を見ると年収200万~300万円からのスタートが多いようです。契約社員としての採用も多く、最初は決して高い収入とはいえないかもしれません。
しかし、担当した声優が人気になったり、自身の営業実績が評価されたりすることで、収入アップを目指せる夢のある職業です。



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【キャリアパス】未経験から目指すための2つの道
声優マネージャーになるためのルートは、大きく分けて2つあります。
社会人経験を積んでからの中途採用
営業力や交渉力が重視されるため、他業種で営業やマネジメントの経験を積んでから声優事務所に転職する人が多いのが特徴です。
新卒採用を行う事務所は少ないため、未経験から目指す場合、このルートが現実的な選択肢の一つとなります。
専門学校で学び、新卒で目指す
高校卒業後など、すぐに業界を目指したい場合は、マネジメントを専門に学べる学校へ進学するのが近道です。
業界との繋がりができ、在学中から現場実習で経験を積めるメリットは大きいでしょう。ただし、大手事務所の中には採用条件を「大卒以上」としている場合もあるため、志望する事務所の募集要項は事前に確認することが大切です。



勉強も頑張らないとですね
たとえば、『代々木アニメーション学院』では芸能マネジメント科というものがあり、そこでは声優マネージャー/芸能マネージャー / アイドルマネージャー を目指せます。
代々木アニメーション学院の芸能マネジメント科についてより、詳しく知りたい人は無料で資料請求が可能なので、取り寄せてみてもいいかもしれません。
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このように、声優マネージャーは担当声優の人生を背負う責任の大きな仕事です。
決して楽な道ではありませんが、「声優と一緒に仕事がしたい」というあなたの強い想いを形にし、その夢と成長を一番近くで分かち合える、かけがえのないやりがいに満ちた職業だといえます。



声優さんと一番距離が近い仕事と言っても過言ではないですね



まさに声優さんを支える仕事ねッ!
アニメ監督


仕事内容
シナリオに従ってアニメーションの制作を指導・統括する仕事。作画およびレイアウトの指導を行い、最終的に一個の作品としてのアニメを完成させる。
アニメ監督は、物語、作画、音楽、そして声優の演技まで、作品に関わるすべての要素をまとめ上げ、一つの世界を創造するプロジェクトの最高責任者です。
なぜなら、アニメ制作に関わる200人以上ものスタッフを統括し、作品のクオリティと方向性を最終的に決定する役割を担うからです。
声優がキャラクターに魂を吹き込む、その演技の方向性すらも監督のビジョンによって決まるため、声優の仕事に深く関われる職業といえます。
では、アニメ監督の具体的な仕事内容、年収、そしてそのポジションにたどり着くまでの道のりを見ていきましょう。
【仕事内容】声優の演技も導くクリエイティブの司令塔
アニメ監督の仕事は、作品の企画段階から完成まで全工程に及びます。
- 作品の設計: シナリオの方向性を決め、絵コンテ(映像の設計図)を作成し、キャラクターデザインや美術設定などを承認します。
- スタッフの統括: 作画、背景、撮影、編集など、各セクションの専門スタッフに指示を出し、全体の進捗とクオリティを管理します。
- 声優との協働: オーディションでのキャスティングに関わり、アフレコ(声の収録)現場では声優に直接演技指導を行います。「このキャラクターはもっと明るく」「このセリフには悲しみを込めて」といった指示を通して、作品の世界観に合った声の演技を引き出すのも監督の重要な仕事です。
これらの業務を遂行するため、アニメ制作の幅広い知識はもちろん、多くのスタッフをまとめるリーダーシップやコミュニケーション能力が不可欠です。
また、アニメは大きくわけて下記の流れを得て作られています。


この制作過程の流れの中にある「アフレコ」部分で声優さんと関わり、ときには演技指導などサポートを行い一緒に作品を完成させていきます。



30分アニメを1本制作するのにかかる製作費の平均は1,300万円程度掛かるみたいです
【年収】経験と実績が反映される高水準
アニメ監督の平均年収は約650万円とされています。ただし、これはすぐに到達できる金額ではありません。
長い下積みと経験を経て、監督というポジションを任された人の給与水準です。作品がヒットすれば、さらに高い収入を得ることも可能であり、大きな夢のある仕事だといえるでしょう。



ヒット作を作っていくわよ
【キャリアパス】制作現場からのステップアップが王道
アニメ監督は、未経験からすぐになれる職業ではありません。アニメ制作会社に入社し、現場で経験を積むのが一般的なルートです。
- アニメーターから目指す道: アニメーターとして入社し、原画、作画監督とステップアップして、演出経験を積み監督になるクリエイターコース。
- 制作進行から目指す道: 制作進行として入社し、制作全体の流れを管理する能力を身につけ、演出を経て監督になるマネジメントコース。
どちらの道を進むにしても、映像に関する専門知識は必須です。そのため、専門学校などでアニメ制作の基礎から体系的に学び、実践的なスキルを身につけてから制作会社へ就職するのが監督への近道となります。



アミューズメントメディア総合学院ではアニメ制作について学ぶ学科がありますよ
このように、アニメ監督になるには長い時間と努力が必要ですが、自分の理想とする世界観をゼロから創り上げ、声優を含む多くのプロフェッショナルと共に作品を完成させる達成感は計り知れません。
「声優をサポートする」という枠を超え、作品作りそのものを主導したいと考える人にとって、これ以上ないやりがいを感じられる職業です。
より詳しくアニメ監督について知りたい方は下記の記事も参考にしてみてください。↓


音響監督


仕事内容
主にアニメーションやゲームなどの作品において音声面の演出を行う仕事。
別名で「録音監督」「音響演出」とも呼ばれる。
音響監督は、声優の演技を最も引き出し、BGMや効果音と融合させて作品の「音」を完成させる、音響世界の指揮者です。
なぜなら、どの声優を起用するかのキャスティングから、アフレコ現場での演技指導、そして音楽や効果音の選定・調整まで、作品で耳にする音のすべてを演出し、その品質に責任を持つからです。
まさに、声優のパフォーマンスを一番近くで支えるクリエイターと言えるでしょう。
では、音の司令塔である音響監督の具体的な仕事、収入、そして目指すための道のりについて解説します。
【仕事内容】声優のポテンシャルを最大限に引き出す
音響監督の仕事は、音に関する専門的な判断と、多くの人を動かすコミュニケーション能力が求められます。
- キャスティングと演技指導: 作品の世界観やキャラクターに最も合う声優を選び、起用します。アフレコ収録では「このセリフはもっと力強く」「ここは息遣いで感情を表現して」など、具体的な指示で声優の演技を導き、キャラクターに命を吹き込みます。
- サウンドデザイン: 脚本や映像に合わせて、どこにどのようなBGMや効果音(足音、爆発音など)を入れるかを設計し、全体の音響をデザインします。
- 予算・スケジュール管理: 決められた予算内でスタジオやミキサー、声優などを手配し、スケジュール通りに音の制作が進行するよう管理することも重要な役割です。



声優の演技指導などは、アニメ監督と被る部分もありますね
【年収】実力主義で高収入も目指せる専門職
音響監督の収入は実力や実績によって大きく変わりますが、アニメ1話(30分枠)あたり15万~18万円が一般的な相場とされています。
拘束される時間は2日程度であり、時間効率がいいことから音響監督の年収はアニメ業界で割が良く収入が高い仕事として有名です。
フリーランスとして複数の作品を掛け持ちする監督も多く、実力と信頼を勝ち取れば、アニメ業界の中でも高い年収を目指すことが可能です。



年収が高いって魅力よねッ!
【キャリアパス】音響制作会社で技術を磨くのが王道
音響監督になるには、まず音響制作会社に就職し、現場で経験を積むのが最も一般的なルートです。
- 音響制作会社へ就職: まずは音響の専門家集団である音響制作会社への入社を目指します。
- MAエンジニアからスタート: 入社後は、音響監督の指示のもとで音声の録音や調整を行う「MAエンジニア」などのアシスタント業務からキャリアを始めることが多いです。MAエンジニアとしてアフレコ現場に同席するため、「声優と一緒に仕事がしたい」という希望を早い段階から叶えることができます。
- 音響監督へ: 現場で技術と経験、そして監督や声優との信頼関係を築き、実力が認められると音響監督として仕事を任されるようになります。
このキャリアを歩むためには、専門機材を扱う音響の知識と技術が不可欠です。そのため、専門学校などで基礎を学び、即戦力として業界に入るのが確実な一歩となるでしょう。
『代々木アニメーション学院』ではPA・照明科というものがあり、ここではMAエンジニアになる為に必要な知識や技術を身に付けられます。
詳しく知りたい人は無料で資料請求が可能なので、取り寄せてみてもいいかもしれません。
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業界に入る前に学校で基礎知識を学ぶのはアリですね
このように、音響監督は専門的なスキルが求められる厳しい仕事ですが、声優の演技を直接ディレクションし、作品の聴覚的な魅力をすべて作り上げるという大きなやりがいがあります。
「声優を支える仕事」の中でも、クリエイティブな立場で深く関わりたい人にとって、最高の職業の一つだといえます。
声優雑誌編集者


仕事内容
雑誌編集者は、雑誌の内容を企画制作する仕事。企画立案に始まり、予算やスケジュールの管理、撮影や取材の手配、原稿のチェック、写真の選定、レイアウトのディレクション、印刷所とのやりとりをする。
声優雑誌の編集者は、企画、取材、写真を通して声優個人の魅力をファンに届け、その人気を形作る仕事です。
なぜなら、読者が今どんな情報を求めているかを分析し、声優の新たな一面を引き出す企画を立て、自ら取材や撮影の現場に立ち会うなど、一冊の雑誌が読者の手元に届くまでの全工程に深く関わるからです。
あなたの企画ひとつで、声優の世間的なイメージを大きく向上させることもできます。
では、声優の魅力を伝えるこの仕事の具体的な内容、収入、そして目指すためのキャリアプランを見ていきましょう。
【仕事内容】企画から取材まで、クリエイティブの全てに関わる
編集者の仕事は、単に文章を書くだけではありません。
- 企画立案: 読者アンケートやSNSの反応を分析し、「今、どの声優のどんな特集が読みたいか」というニーズを掴み、特集記事や連載を企画します。
- 取材・撮影: 仕事のハイライトとも言える部分です。企画に基づき、声優に直接インタビューをしたり、カメラマンと共に撮影ディレクションを行ったりします。ここで「声優と一緒に仕事がしたい」という願いが叶えられます。
- 編集・制作進行: 取材した内容を元に記事を執筆し、デザイナーにページのレイアウトを依頼。出来上がった原稿の誤字脱字をチェック(校正)し、印刷所にデータを渡すまで、責任を持って進行を管理します。
常に世の中のトレンドにアンテナを張り、多くの仕事を同時に進めるマルチタスク能力が求められます。



あこがれの声優さんにインタビューできるかもしれません
【年収】勤務先の規模で大きく変動
編集者の年収は、勤務先の企業規模によって差があります。
- 大手出版社: 年収500万円~600万円と高水準ですが、その分、入社難易度は非常に高いです。
- 一般的な出版社: 平均年収は400万円~500万円ほどが目安となります。
- 編集プロダクション: 出版社の下請け業務が中心の場合、給与水準は下がり、年収250万円~からのスタートも珍しくありません。



大手の出版社に入りたいわね
【キャリアパス】「出版社」と「編集プロダクション」2つの道
編集者になるには、主に2つのルートがあり、それぞれに特徴があります。
出版社への就職(王道だが狭き門)
「声優グランプリ」などを発行する大手出版社への就職が理想ですが、採用枠は毎年数名と非常に少なく、倍率は100倍を超えることもあります。多くの場合「大卒以上」が応募条件となり、極めて競争の激しい道です。しかし、企画の根幹から関われるため、やりがいは大きいでしょう。
実際の規模間でいうと『講談社の2019年度定期採用』では応募者2712人に対して、最終的に内々定までいった人数は20人(男9人・女11人)なので倍率は135倍という、とんでもない数字となります。
また、声優雑誌『声優グランプリ』を出版している主婦の友社では、新卒採用実績として毎年3~4名ほどしか取りません。
- 2022年:4名(男性1名/女性3名
- 2021年:3名(男性1名/女性2名)
- 2020年:4名(男性1名/女性3名)
- 2019年:3名(男性1名/女性2名)
- 2018年:4名(男性2名/女性2名)
編集プロダクションへの就職(経験を積むための現実的な選択肢)
出版社から編集業務を請け負う会社です。出版社に比べて入社のハードルは低く、学歴を問わない場合もあります。まずはここで経験を積み、実力をつけてから出版社へ転職するキャリアプランも描けます。ただし、担当業務によっては声優と直接関わる取材などに携われない可能性もあるため、会社の事業内容はよく確認する必要があります。



編集プロダクションへの就職は全然ありですね!
このように、声優雑誌の編集者になる道は簡単ではありませんが、自分の手で声優のまだ見ぬ魅力を引き出し、それをファンと共有できる喜びは格別です。
ラジオディレクター


仕事内容
ラジオディレクターは番組の企画・構成を行い、現場監督として制作スタッフをまとめ上げる仕事。
ラジオディレクターは、声優の演技とは一味違う「素のトーク」を演出し、リスナーとの温かい繋がりを生み出す番組を作り上げる、いわば”生放送の舞台監督”です。
なぜなら、番組の企画立案から台本作成、音楽の選曲、そして放送中の指示出しまで、番組制作の現場における全責任を担うからです。
あなたのディレクションひとつで、声優の新たな魅力が引き出され、人気番組が誕生するかもしれません。
声優のパーソナリティを輝かせるこの仕事の具体的な内容、収入、そして目指すための方法を見ていきましょう。
【仕事内容】トークを演出し、リスナーとの一体感を創出
ラジオディレクターは、リスナーに「面白い」と思ってもらうためのエンターテイナーでもあります。
- 企画・構成: 番組のコンセプトを考え、リスナーからのメールを紹介するコーナーやゲストを招くトーク企画など、番組全体の流れを組み立てます。
- 台本作成・選曲: 声優との打ち合わせを元に大まかな台本を作成し、番組の雰囲気に合わせてBGMや楽曲を選びます。
- 現場での演出(ディレクション): ラジオディレクターの腕の見せ所です。放送中はスタジオの外から、ヘッドフォンやジェスチャーで声優に指示を出します。「もっとテンションを上げて!」「次のコーナーに行きましょう」といった的確な指示で、生放送の臨場感を演出し、番組を盛り上げます。
常に面白いことを考える企画力と、声優やスタッフと円滑に仕事を進めるコミュニケーション能力が不可欠な仕事です。



こちらは声優さんと近い距離で関われる仕事ですね
【年収】勤務先により幅があるが、安定した収入が期待できる
ラジオディレクターの年収は、所属する企業によって大きく異なります。
- 大手ラジオ局: 年収600万円~1,000万円と非常に高水準ですが、入社は極めて困難です。
- 番組制作会社・地方局: 年収350万円~600万円が相場となります。アニメや声優専門の番組に携わりたい場合、こちらのルートが現実的です。



大手ラジオ局に入れれば将来安泰よね
【キャリアパス】「放送局」か「制作会社」か、自分に合った道を選ぶ
ラジオディレクターを目指すルートは主に2つ。それぞれに特徴があるため、自分に合った選択が重要です。
- 放送局への就職(ハイリスク・ハイリターンな道) 大手放送局への就職は、高い給与と安定性が魅力です。しかし、採用倍率は100倍を超え、多くの場合、難関大学卒の学歴が求められます。また、入社できても必ずラジオ部門、ましてや声優の番組に配属されるとは限らないという大きなリスクがあります。
- 番組制作会社への就職(声優に関わるための最も現実的な道) 「声優と一緒に仕事がしたい」という目標を叶えるなら、こちらが断然おすすめです。アニメ・声優系のラジオ番組を専門に作る会社(例:「インターネットラジオステーション<音泉>」を運営する会社など)であれば、夢に直結します。学歴不問の求人や、アルバイト・契約社員からの正社員登用制度を設けている会社も多く、入社のハードルは放送局より低いといえます。



声優と関わりたいなら、番組制作会社が良さそうですね
このように、ラジオディレクターは声優の役柄としてではない「人間的な魅力」をファンに届ける、非常にユニークでやりがいのある仕事です。
競争の厳しい道もありますが、制作会社を目指すことで、憧れの声優と番組を作り上げる夢を現実にするチャンスが十分にあります。
「声優をサポートする仕事」の中でも、特にパーソナリティに寄り添いたい人には最適な職業でしょう。
振付師


仕事内容
映画やテレビ、舞台、イベントなどに出演するダンサーや歌手に踊りの振り付けをする仕事。
歌舞伎舞踊や日本舞踊のような伝統芸のほか、バレエやダンスの振付をする者も含まれる。
振付師は、声優のライブやイベントを華やかに彩るダンスを創造し、そのパフォーマンスを直接指導することで、声優をステージ上で輝かせる「身体表現の演出家」です。
なぜなら、楽曲の世界観やキャラクターのイメージをダンスという形で表現し、歌いながらでも踊れる動きを考案。そして、ダンス経験が豊富でない声優にも寄り添って指導し、ファンを魅了するパフォーマンスを完成させる、クリエイティブと教育の両面を担うからです。
声優のライブに不可欠なこの仕事の具体的な内容、収入、そして目指すための道のりについて解説いたします。
【仕事内容】ダンスの創造から完成までの全てをサポート
振付師の仕事は、単にダンスを作るだけでは終わりません。
- 振付の創作: 楽曲を深く理解し、その世界観やメッセージ、声優のキャラクターイメージに合ったダンスをゼロから創造します。
- 指導・レッスン: 振付師の腕の見せ所です。完成した振り付けを、声優がステージで自信を持って踊れるようになるまで、マンツーマンに近い形で丁寧に指導します。相手のレベルに合わせて動きを調整したり、表現のコツを伝えたりと、高い指導力が求められます。
- 現場でのサポート: ライブ本番のリハーサルに立ち会い、フォーメーションの確認や細かな動きの最終調整を行い、最高のパフォーマンスが生まれる瞬間まで見届けます。



今では多くの声優さんがライブをする様になりました
【年収】実力次第だが、兼業が一般的
振付師の収入は、個人の実力と知名度によって大きく変動するため、定まった給与体系はありません。
1曲あたりの振付料は数万円から、超有名になれば数百万円に達することもありますが、振付の仕事だけで安定した収入を得るのは非常に困難です。
そのため、多くの振付師はダンサー(年収200~500万円)やダンススクールの講師(年収200~400万円)を本業としながら、振付の依頼も受けるという形で活動しています。



有名な振付師になるわッ!
【キャリアパス】プロのダンサーからのステップアップが王道
振付師になるための最も確実な道は、まず自身がプロのダンサーとして実力を認められることです。
- プロのダンサーになる: ダンスの専門学校やスクールで基礎を学び、バックダンサーなどの仕事でプロとしての経験を積みます。
- 実績を積み、人脈を築く: アーティストのバックダンサーとして活動する中で、業界内に人脈を広げ、指導力や創作力をアピールします。声優のライブでダンサーを務めることは、この上ないチャンスです。
- 振付師へ転身: ダンサーとしての実績が認められ、事務所やレコード会社から振付の依頼を受けることで、振付師としてのキャリアが始まります。
たとえば、アニメ振付師として有名な石川ゆみさんは「スターダストプロモーション」でダンサーとして活動後に振付師としても活躍されています。
- 堀江由衣
- 田村ゆかり
- 平野綾
- 小倉唯
- μ’s(ラブライブ!)
- ももいろクローバーZ
石川ゆみさんは1999年からダンサー活動を開始し、同年第50回NHK紅白歌合戦で鈴木亜美さんのバックダンサーを務め、他にも堀江由衣さんや田村ゆかりさんのライブやイベントにダンサーとして出演された経験もあります。
2002年からは振付師としての活動も開始され、はじめて振付を担当したのは水樹奈々さんも所属していた声優ユニット「Prits」で、その後もいろいろなアニメ、声優の振り付けを担当されています。
石川ゆみさんのように、ダンサーとして声優の現場を経験した後に振付師として大成するケースが理想的なモデルです。



他の有名な振付師さんもダンス経験がある人が多いですね
このように、振付師はダンスという専門技能が必須であり、安定した職業とは言えない厳しい側面もあります。
しかし、自分の創造したダンスで声優がステージを舞い、何万人ものファンが熱狂する光景を創り出せる喜びは、何物にも代えがたいでしょう。
「声優をサポートする仕事」の中でも、ライブの熱気をダイレクトに作り上げたい人にとって、最高の職業の一つです。
ボイストレーナー


仕事内容
発声や歌唱技術の指導を専門とする人。歌手や声優、アナウンサーなど、声を仕事とする人の発声技術向上をサポートしたり、趣味で歌を習いたい人の発声改善をサポート。
ボイストレーナーは、声優の最も大切な”武器”である「声」を鍛え、その表現の可能性を最大限に広げる、技術面における最大のサポーターです。
なぜなら、喉に負担をかけない発声法や、役柄に応じた声の使い分け、明瞭な滑舌など、声優が長期的に活躍するための根幹となる技術をマンツーマンで指導するからです。
あなたの指導が、一人の声優のキャリアそのものを支える土台となります。
声優のパフォーマンスを根底から支えるこの仕事の具体的な内容、収入、そして目指すための道のりを見ていきましょう。
【仕事内容】一人ひとりに合わせたオーダーメイドの指導
ボイストレーナーの指導は、個々の声優が持つ課題や目標に合わせて、多角的に行われます。
- 基礎技術のトレーニング: 腹式呼吸、共鳴、正しい音程での発声、滑舌練習など、安定した声を出すための基礎を徹底的に指導します。
- 表現力の強化: 喜怒哀楽の感情表現、様々なキャラクターの演じ分け、ナレーションの技術など、より高度な表現力を身につけるための応用トレーニングを行います。
- 声のメンテナンス: 声優にとって命とも言える喉のケアや、コンディションを維持するためのアドバイスも重要な仕事の一つです。
新人声優の育成はもちろん、既に活躍しているプロの声優が、さらなるスキルアップや役作りのためにレッスンを受けることも少なくありません。



歌唱力についても教える場合がありますね
【年収】働き方によって大きく異なる
ボイストレーナーの収入は、その働き方によって大きく変わります。
- 声優養成所・専門学校の講師: 年収300万円~500万円が目安です。安定した収入を得ながら、多くの生徒を指導する経験を積むことができます。
- フリーランス: 収入は完全に実力と人気次第です。有名声優や大手事務所と契約する人気トレーナーになれば年収600万円以上を稼ぐことも可能ですが、生徒が集まらなければ収入は不安定になります。



フリーランスの場合は生徒が集まればかなり高収入になりそうね
【キャリアパス】「声のプロ」としての経験が不可欠
ボイストレーナーになるために必須の資格はありませんが、自身の経験と実績が何よりも重要です。
- 自身が「声のプロ」になる: 元声優、舞台俳優、歌手など、自らが声を使うプロフェッショナルとしての活動経験が、指導者としての説得力に繋がります。
- 指導法を学ぶ: 自身がプレイヤーとして優秀であることと、人に教える技術は別物です。音声学や解剖学の知識を学んだり、先輩トレーナーのアシスタントをしたりして、指導者としてのスキルを磨きます。
- 実績を積む: まずは声優養成所や専門学校の講師としてキャリアをスタートさせるのがいいでしょう。そこで多くの生徒を指導して評判を高め、やがて独立してフリーランスとして活動したり、自身のスタジオを開業したりする道が開けてきます。



実績を積むのが大変そうですよね
このように、ボイストレーナーは声優一人ひとりの才能と真摯に向き合い、その成長を技術面から力強く後押しする、非常に専門性の高い仕事です。
「声優をサポートする仕事」の中でも、その人の持つ声という原石を磨き、輝かせる過程に立ち会えることは、何にも代えがたい大きなやりがいと喜びに繋がるでしょう。
アニメ業界で働くデメリットとは?


「声優と関わる仕事」への憧れを現実に変えるためには、その世界のやりがいだけでなく、厳しい側面も知った上で、覚悟を持ってキャリアを選択することが非常に重要です。
なぜなら、特にアニメ制作などのクリエイティブな現場では、「声優に会える」「作品作りに携われる」といった理想と、実際の労働環境との間に大きなギャップが存在することが多いからです。
このギャップこそが、早期離職の最大の原因となってしまいます。
具体的に、アニメ業界で働く上で知っておくべき厳しい現実として、以下のような点が挙げられます。
- 非常に高い離職率: アニメーターの場合、入社3年以内の離職率が9割に達するとも言われています。これは、業界の過酷さを物語る最も分かりやすい指標です。
- 厳しい労働条件: 多くの制作現場では、低い給与水準、長い労働時間、厳しい納期といった課題を抱えています。
- 「好き」だけでは続かない現実: 作品への情熱はもちろん不可欠ですが、それだけで乗り越えられない困難が多いのも事実です。プロとしての忍耐力や心身のタフネスが求められます。
しかし、これは決して「諦めなさい」という意味ではありません。
こうした現実を知り、それでも「この世界で自分の力を試したい」と強く思える覚悟こそが、ミスマッチを防ぎ、長く業界で活躍するための本当のスタートラインです。
あなたの持つ情熱に、正しい知識と覚悟をプラスして、後悔のないキャリアを築いていきましょう。



好きという気持ちだけで就職したら後悔するかもしれません



事前に確認しとけば、「こんなはずじゃなかった~~汗」ってなることを防げるわねッ!
年収が低い
「声優と関わる仕事」、特にアニメ制作の現場を目指す上で、若いうちは経済的な厳しさに直面する可能性が非常に高いという現実があります。
なぜなら、多くのアニメ関連の仕事は物価の高い東京近郊に集中している一方で、業界全体の平均年収、とりわけ新人クリエイターの収入は、日本の全産業の平均よりも低い水準にあるからです。
この収入と支出のギャップが、厳しい生活を強いる大きな要因となります。
実際のデータを元に、この経済的な現実を具体的に見ていきましょう。
1. アニメ業界の年収データ
下記の図は、『アニメーション制作者実態調査報告書2019』に記載されている、アニメーション制作者の2017年における年間収入になります。


この調査によると、アニメ制作に携わる人の半数以上が年収400万円以下というデータです。
これは、日本の平均年収である436万円を下回る水準です。 特に、新人アニメーターの場合、平均年収は約110万円、月収に換算すると9万円台という厳しい数字も報告されています。
「新規学卒者決定初任給調査結果」では、新卒の平均給料は約20万円(手取り約16~18万円)というデータが出ています。※日本経済団体連合会と東京経営者協会が2021年11月に発表。
これを低いと捉えるか高いと捉えるかは個人差がありますが、一般的には実家ぐらしでないと経済的に厳しいと言えるでしょう。
2. 東京近郊での生活コスト
総務省統計局が公表している『家計調査報告〔家計収支編〕2020年(令和2年)平均結果』によれば、住居費を除いた単身世帯の生活費の平均額は12万9,556円とデータを出しています。
一方、仕事が集中する東京やその近隣県の家賃相場は、ワンルームでも月6万円~9万円です。
IFULL HOME’S(ホームズ)によると、東京都及び近隣3県の家賃相場は以下のデータを出していましたが、どの場所も家賃平均が5万を超えています。(2021年4月26日時点)
- 東京 :9.1万円
- 千葉 :5.9万円
- 埼玉 :5.7万円
- 神奈川 :6.6万円
月収9万円台では、家賃どころか最低限の生活費すら賄うのが困難であることは、計算するまでもないでしょう。
3. 大手企業という選択肢
もちろん、業界の全ての企業の待遇が厳しいわけではありません。
例えば、以下のような大手企業であれば、平均を大きく上回る収入が期待できます。
企業名 | 平均年収 |
---|---|
KADOKAWA | 815万円 |
東映アニメーション | 758万円 |
エイベックス | 725万円 |
マーベラス | 572万円 |
年収面での安定を重視するなら、こうした大手企業を目標に据えるのも有効な戦略です。ただし、その分、就職の競争率が極めて高いことは覚悟しなくてはなりません。
このように、経済的な現実は決して甘くありません。
だからこそ、「声優と一緒に仕事がしたい」という情熱だけでなく、生活費をどうするか(実家から通う、十分な貯金をしておくなど)、どのレベルの企業を目指すのかといった具体的なライフプランとキャリア戦略を併せて考えることが、夢を実現させるために不可欠なのです。



ここら辺はよく考えた方が良さそうね
労働時間が長い
アニメ業界で働くデメリットはお金だけではありません。ほかにも、労働時間の長さがあげられます。
下記の図は『アニメーション制作者実態調査報告書2019』にて発表された、1カ月あたりの平均作業時間の調査結果です。


データを見るとアニメ制作現場で84.9%の従業員は、1か月平均160時間以上働いています。
厚生労働省が発表した『2020年労働実態調査』によると、2019年時点で日本全体の年間労働時間は2000時間と記載されております。つまり日本で働くビジネスパーソンは1か月平均して167時間の労働をしている計算になります。
167時間程度に仕事量が収まっていれば問題ありません。
しかし、上記の図では「160~240時間」とありますので、年間の労働時間を大きく上回る可能性は十分あり、社会的な良し悪しは別としてアニメ制作現場に務めるということは過酷な労働時間を要する可能性があると思っておいていいでしょう。



アニメ業界って、そんなに働くのねッ!?
では、なぜこんなにも労働時間が長いのかというと、アニメ業界の仕事がハードスケジュールだからです。
アニメ制作の現場では、1話(30分枠)を作るのに1か月以上かかるといわれており、1クール(12~13話)の放送が決まった場合、制作するのに1年以上かかります。
アニメ制作に関わる人は200人以上いますが、多くの人がイメージしやすいアニメーターの作業を数値としてみて見ると、どれくらい膨大な作業量があるかが見えてきます。
下記は、アニメーターの作業量をわかりやすく図にしたものです。


上記の図でも説明していますが、動きが激しいシーンほど作画枚数が必要であり、たとえば劇場版『鬼滅の刃 無限列車編』の舞台挨拶で監督の外崎春雄さんが、ある戦闘シーン6秒に対して作画を300枚以上使用したと仰っておりました。
また、身近な作品でいうとジブリの作画枚数はおおよそ下記のようになります。
作品名 | 作画枚数 | 時間 |
---|---|---|
風立ちぬ | 161,545枚 | 126分 |
となりのトトロ | 48,743枚 | 86分 |
魔女の宅急便 | 67,317枚 | 102分 |
千と千尋の神隠し | 112,367枚 | 125分 |
崖の上のポニョ | 170,653枚 | 101分 |
作品によって作画枚数に違いはありますが、どの作品も膨大な作業を行わなければならないのは確かです。
また、人によって作画1枚を仕上げるスピードに違いがありますし、それこそキャラクターを描くのかあるいは建物や風景を書くのかでも描き上げる時間が違ってきます。
仮に作画枚数1000枚のアニメーションを1人で制作するとして、1枚あたり平均30分で仕上げるとすると完成させるのに500時間掛かってしまいます。
1日の作業時間が10時間だとしても、50日間も必要なんです。
もちろん、アニメを制作するうえでアニメーターが1人なんてことはありえませんが、膨大な作業量にはそれなりの人数が必要なのをイメージできたのでは無いでしょうか?



アニメ1話分の作画には30人以上が参加するみたいです
ここで「作業者を多く雇えば問題解決じゃない?」と、思うかもしれませんがアニメ制作には予算が決まっています。(1話あたりの制作費は1千万~2千万円)
その予算の中で作業者の給料などが支払われるため、予算を多く使えるアニメであればたくさんの作業者を導入できますが、カツカツの場合はどうしても人数を確保できないときもあります。
人数が確保できない場合、納期自体は変わりませんので、残業を想定したスケジュールを組むしかありません。
つまり、仮に制作期間が1年だとしても作業量に対して妥当な人数を確保できなかった場合、1年というのは余裕を持った期間ではなく残業時間などを加味した制作期間になるわけです。



アニメ制作にはアニメーターさん以外にも沢山の人が関わっています
また、休日の数も他職種と比べて少ないです。
下記の図は『アニメーション制作者実態調査報告書2019』にて発表された、1カ月あたりの平均休日の調査結果になります。


テレビやCMなどに放送される大企業であれば週休2日制が基本であり1カ月あたり8回休めますが、アニメ制作者の場合は図を見てわかるとおり月に4日間しか休めない人の割合が一番多いです。
それどころか、7割以上が月に8日間も休めていません。
つまりアニメ業界で働くことは、仕事が忙しくて残業が多かったり休日が取れないなど、自身の自由な時間が無くなる可能性が高いです。
もちろんアニメ業界の仕事すべてがそうとはいいませんが、可能性としては十分あるので覚悟はしておいたほうがいいでしょう。
アニメ業界で働く人が仕事にやりがいを感じるときとは?


厳しい現実を知り、不安になったかもしれません。しかし、この業界で多くのプロが輝き続ける理由は、給与や労働時間といった条件だけでは測れない、「やりがい」という強力な原動力が存在するからです。
なぜなら、アニメや声優に関わる仕事は、多くの人にとって「生活のための労働」以上に、「好きを仕事にする」という自己実現の側面が強いからです。
実際に、アニメ制作者は他業種に比べて「仕事が楽しい」と感じる人の割合が突出して高いというデータもあり、その価値観の違いが、厳しい環境を乗り越える力となっています。
では、彼らを支える「やりがい」とは具体的に何なのでしょうか。
1. データが示す「楽しさ」という価値観
『転職サイト比較Plus』の調査で、20代~50代の会社員・公務員・自営業の方、2400人に対して「現在の仕事は楽しいですか?」とアンケートした結果、「仕事が楽しい」と答えたのは約36%でした。
それに対し、『アニメーション制作者実態調査報告書2019』に記載されたデータでは、アニメ制作者の50%以上が「仕事が楽しい」と回答しています。


多くの人がお金のために働くと答える中で、この数字は、アニメ業界が「好き」という気持ちを原動力にする人々によって支えられている証拠です。



この業界は仕事を楽しんでいる人が多いのねッ!
2. この仕事でしか得られない特別な体験
この業界のやりがいは、日々の業務の中に散りばめられています。
- 自分の仕事が「作品」になる喜び: あなたがマネジメントした声優、演出したラジオ番組、企画した雑誌の特集。それらが一つの作品として世に出て、エンディングクレジットに自分の名前が刻まれる感動は、何物にも代えがたい財産になります。
- ファンの熱量を直接感じられる感動: 作品が放送・公開された直後、SNSで飛び交う「最高だった!」「感動した!」というファンのリアルタイムな声に触れることができます。自分の仕事が、誰かの心を動かしたと実感できる瞬間です。
- 憧れの人と「チーム」になる達成感: 「ファン」として見ていた声優やクリエイターと、同じ目標に向かう「プロの仕事仲間」として関われること。これは、「声優と一緒に仕事がしたい」という夢が、最も質の高い形で実現する瞬間と言えるでしょう。



ファンから好意的な反応を貰えた時は嬉しいですよね
3. 「やりがい」がもたらす好循環
仕事の「やりがい」は、精神的な満足だけでなく、幸福度を高め、ストレスを軽減し、仕事のパフォーマンスを向上させる効果があることも研究でわかっています。
実際にIndeed の調査では職場の幸福度を高める要因の1位が『やりがい』だと下記データを発表しています。


また、『はたらく幸せに関する実証研究結果報告書』では働くことで幸せを感じると、個人パフォーマンスを高める効果だったり、心理的ストレス反応や睡眠の質を良好にするとの結果がでています。
他にも、仕事で幸せを感じることで、個人だけでは無く一緒にはたらく人達にも波及効果でパフォーマンスが高まることが確認されました。



仕事をして幸福を感じられるなんて、もう最強ね
「声優をサポートする仕事」は、決して楽な道ではありません。
しかし、だからこそ、その先にある「やりがい」は人生を豊かにするほどの価値を持ちます。あなたがこの業界を目指すなら、「誰と働きたいか」だけでなく、「この仕事を通して何を成し遂げたいか」という自分だけの「やりがい」を見つけること。
それが、困難を乗り越え、長く楽しく働き続けるための最も大切な羅針盤になるはずです。



「やりがい」はいくつあってもいいですよね



やりがいを見つけて、充実した社会人生活を送るわよッ!
声優を目指すのも一つの手


ここまで声優を支える様々な仕事を紹介してきましたが、もし心のどこかに「本当は自分が演じてみたい」という気持ちが残っているのなら、思い切ってあなた自身が声優を目指す道に挑戦してみるのも、後悔しないための重要な選択肢です。
なぜなら、「自分には才能がない」「人前は恥ずかしい」といった不安は、声優を志す誰もが一度は抱える悩みだからです。そして、その不安を乗り越えるための具体的な方法や、自分の適性を確かめる場所が、声優の専門学校や養成所には用意されています。
声優を目指すことは、もはや「すべてを賭ける」必要は無く、学業や仕事で忙しくても目指せる環境が整っているんですよね。
- 働きながら、学びながら挑戦できる環境: 現在、多くの専門学校や養成所では、夜間・週末コースが充実しています。大学や会社に通いながら、週1回のレッスンから自分のペースで夢に挑戦することが可能です。実際に、社会人経験を経てから声優になった方も数多く存在します。
- 適性を見極める「お試し期間」になる: まずはレッスンを受けてみることで、「本当にこの世界で頑張りたいか」「自分に何が足りないか」を客観的に知ることができます。裏方の仕事に進むにしても、演者側の視点を学んだ経験は、将来必ずあなたの強みとなるでしょう。
- 悩みを解決するきっかけになる: 発声や演技の基礎を学ぶうちに、当初の「恥ずかしい」という気持ちが「表現する楽しさ」に変わるかもしれません。一歩踏み出すことでしか見えない景色があります。
「声優と一緒に仕事がしたい」というあなたの願いを、究極の形で叶えるのが、あなた自身が声優になることです。
もし少しでも心残りがあるなら、まずは専門学校の資料請求や体験入学から、小さな一歩を踏み出してみませんか。その一歩が、あなたの人生で最も価値のある挑戦になるかもしれません。



会社や学校と両立して通っている人は案外多いようねッ!



金額も結構良心的です
声優になる方法について、詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。↓


まとめ
今回は、声優に関わる仕事についてまとめてみました。
本記事では、声優の仕事をサポートする具体的な職業を紹介し、その仕事内容からリアルな給与事情まで詳しく解説しています。
記事を読んで、アニメ業界の厳しい現実に少し不安を感じたかもしれません。
しかし、情熱を注げる仕事は一つではありません。
この記事で知った知識は、理想と現実のギャップを埋め、あなたに合ったキャリアを築くための羅針盤となるはずです。ぜひ、次の一歩を踏み出すための参考にしてください。
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