年々アニメの需要が高まるにつれて、声優さん達がテレビやCM、雑誌などに露出する機会が増えました。
それに伴い、声優になりたいと考える人も増えています。
しかし、声優になれる確率は3%と言われており、これは学校の2クラスの中から1~2名が声優になれる割合です。
また、仮にプロになれたとしても声優だけの仕事で生活できる確率はもっと少ないですし、声優になれたとしても注意点がいろいろあります。
そこで、ここでは声優になれる確率や、事前に知っておいたほうが良い点について紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
声優になれる確率は3%
声優を目指している人は全国で30万人ほど存在し、その内声優としてデビューできる人は1万人前後と言われています。
そのため声優になれる確率は約3%であり、さらに声優の仕事だけでご飯を食べられるようになる人は300人程(1万人中)と、とても少ないです。
このことについて、『ABEMA Prime』で以下のデータをだしています。↓
心が折れそうだわ・・・汗
きびしい業界です
データを見て、不安に感じる人も多いと思いますが、よりピンポイントで視点を絞った場合、更に声優になれるか不安になるかもしれません。
たとえば声優になる方法の1つとして声優事務所が開く、一般公募オーディションに合格するという手がありますが、こちらに関しては応募人数がとんでもない数になるので合格するのは困難です。
一例をあげると、声優事務所81プロデュースが毎年開催している新人声優オーディション「81オーディション」では、2021年に開催した時の応募人数は2626名でありそのうち優秀賞1名、特別賞獲得3名という結果に終わりました。
つまり選ばれたのは4名であり、合格率でいうと約0.15%というわけです。
更に低いわね・・・汗
他にも、過去に行われた有名アニメの声優オーディションの倍率がとんでもない数値でしたので、いくつか紹介したいと思います。
モンスターストライク
ゲームで有名なモンスターストライクですが、2019年にアニメで登場する天聖キャラの一般オーデションが行われ、応募総数2,008件の中から3名が選ばれました。
倍率にして669倍と、とんでもない数値です。
なんて倍率よ・・・ッ!
プリキュア
大人から子供まで人気がある「プリキュア」のオーディション倍率は30~50倍とも言われています。
さらに事務所所属でないと参加券すら与えられないとのことなので、そのレベルに上り詰めるための倍率はざっくり1000~7500倍以上になるでしょう。
有名声優であっても過去にプリキュアの声優オーディションに何度も落ちた人がたくさんいます。
たとえば、以下の声優さん達は最終的にはプリキュアに出演を果たしましたが、過去にオーディションで落ちています。
- 水樹奈々:キュアブロッサム役
- 戸松遥:キュアフォーチュン役
- 釘宮理恵:キュアエース役
- 小原好美:キュアミルキー役
- 小松未可子:キュアセレーネ役
こんな有名声優さん達でも落ちるのね・・・
公表していないだけで、まだまだいるかもしれませんね
声優の仕事は基本的にオーディションで決まることが多いです。
そのため、声優になっても仕事を取るために毎回オーデションに参加して、多くのライバル達から役を勝ち取る必要があります。
そして、このような厳しい業界で勝ち抜いた一部の人が「声優だけでご飯をたべられる人」であって、それ以外の声優さん達はアルバイトと掛け持ちして活動しているのが現状です。
本当に厳しい業界よねッ汗
しかし、声優になる前から確立という点だけに囚われてしまうと何もできません。
結局のところは自分自身が声優になるための挑戦を「するか・しないか」でしょう。
たとえばテレビアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』で主人公のナツキ・スバル役を務めた小林裕介さんは、高校生時代に声優になりたいと思っていましたが両親に猛反対され、一度声優になる夢を諦めて大学に進学しました。
それでも、声優になる夢を諦め切れなかった小林裕介さんは、社会人として働きながら24歳のときにアミューズメントメディア総合学院に入学します。
声優になりたいという熱意がすごいですよね
昨今、声優の低年齢化が進んでおり多くの人は学生のときから声優になるために教育期間に通うため、小林裕介さんの場合は周りと比べると遅いほうでしょう。
声優を目指すのに年齢は関係ありませんが、やはり若ければ若い程有利であるというのは変わりありません。
大体の人は、この時点で「声優になりたいけど無理だろうな・・・」と諦めてしまう人がほとんどです。
しかし、小林裕介さんは諦めずに専門学校に通い、卒業後みごと声優事務所に所属されました。
これは、確率といった数値に囚われず行動した結果です。
ほんとうにすごいわッ!
声優になれる確率について悩むよりも自分が声優としてどんな仕事をしたいか。
そして、その仕事をするためにはどうすれば良いかを考えた方が優位意義です。
そうすることで、結果的に声優になれる確率が上がってくるので、悩むよりもまずは行動してみるのが大切です。
なんだか、気分があがってきたわッ!
いいですね!
他職業と比較したら声優なれる確率は高め
声優になれる確率はたしかに低いですが、他の職業と比べたらまだマシです。
たとえば以下の職業に就きたい場合、なれる確率は3%ところではありません。
- 野球選手:約0.01%
- Jリーガー:約0.2%
- 芸人:約0.08%
- 漫画家:約1%
- AKB:約0.15%
どの職業も1%に満たないじゃないッ!?
最近では、歌って踊れるアイドル声優が増えていますが同じようにアイドル活動をするAKBの場合、なれる確率は約0.15%です。
国民的アイドルであるAKB48のオーディションともなると、応募人数は募集があるたびに10000人〜15000人くらいの人が集まるので、どうしても倍率が高くなるのは仕方ありません。
いくつか例をあげると、2005年10月~2006年2月に行われたAKBのオーディションでは応募人数1万1892名に対して最終合格者は19名と、合格率は約0.15%です。
また、2006年6月~11月に行われたオーディションでも応募総数1万2828名に対して合格者20名なので合格率は約0.15%になりますね。
直近のオーディションについては応募人数が伏せられているため分かりませんが、テレビなどの活躍を見る限り以前と同じくらい人気ですので、応募人数も同じくらいだと考えられるでしょう。
1回のオーディションでそんなに集まるのね・・・汗
今回、例に出した職業はどれもなれる確率が1%に満たないものばかりです。
それと比べると声優になれる確率はむしろ高く見えますよね。
どの職業にも言えることですがその職業に就けるか、付けたとしてもその仕事が向ているかは、実際にオーディションに挑戦したり仕事をしてみないとわかりません。
そのため、確率はあくまでも参考程度にとどめて、本気で夢を叶えたいならまずは行動(挑戦)することが大切です。
プロになっても安心できない3つの事とは?
必死に努力して声優になったとしても安心してはいけません。
なぜなら、声優になっても注意しなければいけないことがいろいろとあるからです。
たとえば
- プロになってもアルバイトが必要
- 声優の仕事は安定しない
- 声優業を辞めたときの潰しが効かない
などです。
それぞれ詳しく説明していきますので参考にしてください。
プロになってもアルバイトが必要
声優になれたとしても、すぐに声優の仕事だけで食べていくことはできません。
なぜなら、新人声優の場合はアニメに出演したとしても支払われる出演料が固定されている為、どんなに役を取っても生活するほどの収入を得られないからです。
そうなの・・・?
アニメのアフレコや海外映画の吹き替えの報酬は『ランク制』という仕組みを利用して支払われます。
こちらはむかし、声優の立場が弱かったことから正当な出演契約を結べずにいた為、当時の声優さん達がデモを起こしたりといろいろと行動した結果、日本俳優連合・日本音声製作者連盟・日本芸能マネージメント事業者協会などにより、現行の「ランク制」が出来上がったようです。
下記画像をご覧ください。↓
画像に記載されている通り、ランク制は以下の3つから計算されています。
- 基本ランク
- 作品の放送時間(時間割増率)
- 初期目的利用料率
しかし、新人声優として3年経過していない場合は「ジュニアランク」に分類され、こちらは一律で15,000円で固定されるので、どうしても収入面が低くなってしまいます。
そのため、最初のうちは声優の仕事1本で食べていけないので、ほとんどの人がアルバイトと掛け持ちで声優活動をしているのが現状です。
たとえば現在活躍されている声優さんで例をだすと、さきほども紹介した小林裕介さんは、声優事務所に所属後、4年間の下積み時代を経て声優として頭角を現しました。
下済み時代は年に2~3回しか声優としての仕事がなく、「下済み時代の最高年収は5万円」とYouTubeの【声優エンタメチャンネル】内の動画で仰っています。
5万円ッ!? アルバイトしないと・・・
他にもテレビアニメ『進撃の巨人』の主人公であるエレン・イェーガー役を務めた梶裕貴さんも、プロとして食べていけるようになるまでの下済み時代は、ゴルフ用品店・東京駅の駅構内でお弁当販売・マンガ喫茶などでアルバイトをされいたと、『FromAしよ!!』のインタビューで回答していますね。
このような有名声優さん達でも、声優になりたての頃はアルバイトをしながら声優活動をされていますし、なかなか芽が出ずにずっとアルバイトをしながら声優活動をしている人もたくさんいます。
しかし、そこまで不安になる必要はありません。
なぜなら、今の内から声優活動をしながらでも続けられそうな副業をはじめておけばいいからです。
声優の仕事だけで食べていけるまでの繋ぎとして無理なく働ける所がいいですね
たとえば、YouTubeやブログなどは時間に縛られずに自分の好きな時間で作業することができます。
もちろん、簡単に収入を得られるわけではありませんが、今の内からコツコツと積み上げていけば声優になった頃には立派な収入源になっているかもしれません。
他にも時間の融通が利く仕事や高単価の仕事など、声優にオススメの仕事はいろいろとありますので、詳しく知りたい方は下記を参考にしてみてください。
声優の仕事は安定しない
声優は所属している事務所に雇われているのではなく、『個人事業主』になります。
そのため、毎月決まった給料が支払われるサラリーマンと比べると、声優業は安定した職業ではありません。
たとえば、声優の仕事はオーディション形式で決まることが多いのですが、10個のオーディションを受けて全て落ちた場合、1カ月に貰えるお金は「0円」です。
完全に成果報酬制ってことね・・・汗
仕事がなければお給料は一切なく、月々の給与は0円です汗
2006年にテレビアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の長門有希役でブレイクした茅原実里さんの年代別のアニメ出演数を見ると声優の仕事が不安定なのが良くわかります。
- 2006年5件
- 2007年12件
- 2008年2件
- 2009年4件
- 2010年6件
- 2011年6件
- 2012年7件
- 2013年5件
- 2014年6件
- 2015年2件
- 2016年1件
- 2017年1件
- 2018年4件
- 2019年1件
- 2020年1件
- 2021年1件
- 2022年2件
ブレイクした翌年の2007年はアニメ出演数が12件と倍以上になっていたのに、翌年の2008年は2件とかなり減っています。
このような有名声優であり、話題になったアニメ作品のキャラを担当したとしても安定して仕事を取るのは難しいんですよね。
涼宮ハルヒとか、社会現象をおこした作品なのに!?
では、どうすれば安定するかというとアニメのアフレコ以外の仕事を取れるようにすることです。
声優の仕事は多岐にわたるためアフレコ業以外にも、歌手活動、ナレーションなどいろいろあります。
茅原実里さんも2004年に歌手デビューをして、ライブ活動やCDの発売をしたり、ナレーション業を行ったりとアフレコ以外の仕事もいろいろとされていました。
オリコンチャートとかも取ったみたいよッ!
茅原実里さんはもともと歌手志望であった為、歌手デビューに向けてオーディションを受け続けていましたが、チャンスをつかめず悩んでいた際、スタッフに以下のアドバイスを貰い声優を目指します。
「茅原の声質もキャラクターも独特だから、声優としてお芝居を勉強するともっと幅が広がると思う。今の声優はいろんな仕事をしているからあなたのやりたい歌の仕事にも繋がるかもしれない」
その後、茅原実里さんは2004年にテレビアニメ『天上天下』でヒロインである棗亜夜役で声優デビューを果たし、同年に歌手デビューも果たしました。
茅原実里さんの場合は、声優として仕事を安定させる為に歌唱力を鍛えたわけでは無いですが、結果的には歌唱スキルがあったからこそ、デビュー当初からアフレコ以外の仕事を獲得できたわけです。
そのため、声優業を少しでも安定させるためにも今のうちから声優業にはどういう仕事があるかを把握して、その仕事にはどんなスキルが必要かを確認し身に付けるのが大切です。
歌手活動も視野にいれとくわッ!
歌手だけでじゃなく、洋画の吹き替えやナレーションなど他にも色々ありますよ
声優業を辞めたときの潰しが効かない
声優になっても結局声優業だけで食べていけず、辞めてしまう人もいます。
その場合、就職するのに苦労するかもしれません。
なぜなら、声優になるために培ってきた経験は他の職業では活かし難いからです。
どういうこと~?
あなたが声優を諦めたときの年齢が若ければそこまで気にする必要はないですが、仮に30代だと就職活動の難易度が上がります。
理由としては企業が30代に求めるのは即戦力だからです。
具体的には
- 即戦力になる経験・知識
- 課題解決能力
- 新しい環境に順応できる柔軟性
- マネジメントスキル
などができる人材を企業は望んでいます。
なにか声優と関わる企業であれば今までの経験が役に立つかもしれませんが、全く関係無い企業に就職する場合は就職活動が大変なのを覚悟はしておいた方がいいでしょう。
わ、私は声優になったら一生辞めないわよッ!
ですが悲観する必要はなく、こちらに関しても事前に対策を取っておけば問題ありません。
たとえば、資格の取得です。
職歴が無くても資格があれば就職活動を有利に進めれます。
一例をあげると、看護師資格などですね。
厚生労働省が令和元年に公開した「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会 中間とりまとめ案(概要)」によると、看護師の求人倍率は全都道府県で1.0倍、全国値では2.36倍となっており、転職が比較的しやすいです。
もちろん、資格を取得するためには看護学校に通って試験に合格する必要がありますが、厚生労働省のデータによると、看護師国家試験の過去十年間の平均合格率は89.8%でした。
それに、看護師の平均年収は499万円と日本全体の平均年収より高いです。
また、看護師の資格取得には年齢制限が無いので声優を諦めた年齢が仮に30代でも問題ありません。
声優の林原めぐみさんは看護師の資格を持っていますね
看護師以外にも、転職する際に有利な資格はたくさんありますので、先を見据えていまから取得しておくと将来の保険となるのでオススメです。
声優教育機関に通って声優を目指そう
ここまで、声優についての確立や注意点について説明してきました。
説明を聞いて、声優を目指そうか迷う人もいると思います。
しかし、確率について考えても意味はありません。
結局のところ自身がどれくらい声優になりたいかという気持ち次第です。
挑戦しない限り声優になれるチャンスすら掴めないですよね
現在は学校や会社に通いながら声優の教育期間に通える場所がほとんどです。
なので学校や会社を辞めない限り、声優になれなかったとしても失うのは教育期間に通った際の「時間」と「学費」だけです。
この2つを失っても良いという熱意や覚悟があれば、あとは声優教育機関に通うだけです。
行動しなければ声優になれる確率は0%・・・あたしはやるわよッ!
それに、声優になれなかったとしても教育期間で身に付けたスキルを活かす方法はいろいろとあります。
たとえば、ネット声優活動ですね。
ネット声優とは読んで字のごとくインターネットを使用して声優活動をしている人の事を指します。
活動内容として
- ボイスドラマ
- 同人ゲームの声優、ナレーション
- YouTubeで配信する漫画動画のキャラ声優
- YouTubeで公開する動画のナレーション
- LINE動画のセリフを読み上げ
- LINEのドラマ風動画の声優
- 企業の販売促進動画のアテレコ
- 結婚式に使う動画のナレーション、
- アプリで使用するキャラクターボイス
- 小説やシナリオの朗読
などがあります。
これらの仕事内容は「質」の違いはありますがプロの声優さん達がやられる仕事の内容と近い為、これまで学んできたことを十分活かせますし、ネット声優の仕事だけで生活するのだって夢ではありません。
そのため、声優になれなかったとしても全てが無駄になるわけでは無いのを覚えておいてください。
まとめ
今回は声優になれる確率についてまとめてみました。
- 声優になれる確率は3%
- 声優業だけで生活できる人はもっとすくない
- 他の職業と比べればまだマシ
- 声優になれなくても別のことでスキルを活かせる
これから声優を目指そうと思っている人はぜひ今回の記事を参考にして貰えればと思います!
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